小学生が特許を取得

昨日は各紙で“小6女児が特許取得 空き缶自動分別ごみ箱”を取り上げていました。例えば、日本経済新聞の記事ですと以下のURLです。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14H11_U5A011C1CR0000/

昨晩、テレビ朝日の報道ステーションを見ていましたら、特許発明の空き缶自動分別ごみ箱が登場しました。
空き缶自動分別ごみ箱が動作している様子を見ますと、思わず“おお~”と声が出てしまいました。
早速、特許公報を探してみますと、特許第5792881号がありました。図1(a)と図2とを載せます。

この特許公報を見ますと、普段目にする特許公報とは異なり、新規性喪失の例外規定を使っています。また特許公報ではわかりませんが、時間的なことを考えますと早期審査制度を使っていると思われます。また法定代理人の欄があります。
私はこの特許業界に約26年いますが、初めて【法定代理人】の欄を特許公報で見ました。特許法では、手続きをする者が「未成年である場合」又は「成年被後見人である場合」には、「法定代理人」によらなければ、手続きをすることができないと定められています。
特許は使わなければ、利益を生みません。この小学生がこの特許をライセンスしたりして、利益を得てほしいですね。

本ブログ及び特許申請、商標登録出願代行等に関するお問い合わせは、下記URLからお問い合わせください。
http://www.itopto.com/otoiawase.html

インヴェンションとイノヴェィションとの違い

インヴェンション(invention)は発明と翻訳され、イノヴェィション(innovation)は技術革新と翻訳されています。その違いは何だという記事が日経ビジネスにありました。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/062400001/070900003/?P=1

人によってそれらの言葉の捉え方は様々ですが、私は、社会を動かすような大きな発明を技術革新というのかなと捉えていました。
この記事では、技術ハードル及び市場のハードルを越えたものがイノヴェィションと定義しています。
100個の新規プロジェクトのアイデアがあり、そのうち技術的に実現できるものは80個、この80個のうち商業的にも成功するものは16個となるとのことです。
商業的に成功しているとは、新アイデアを社会に普及させることができることと記事ではまとめています。
特許の仕事をしていますと、このうちどれぐらいが商業的に成功しているのかなと思うこともあります。
クライアントが商業的に成功してイノヴェィションを達成し、そのクライアントから発明がどんどん生まれてくるようになってほしいです。

自動運転技術の共同開発

今朝のNHKのニュースによると、自動車の自動運転に向けて、トヨタ自動車や日産自動車など自動車メーカー6社と部品メーカーは自動運転の実用化のため、共同技術開発を行うそうです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150624/k10010125431000.html

自動運転といっても、グーグルなどが目指すドライバーの操作不要の完全自動運転を意味するのか、ドライバーの操作を必要とする高度運転支援技術を意味するのか、その意味合いはニュースでは分かりませんでした。
ニュースによりますと、参加メーカーが、まず共同開発する分野と競争する分野を検討会で仕分けるそうです。うまく仕分けることが良いですが、仕分けることができても共同開発するとなるというと、特許などの知的財産の取扱も難しいです。

一方、日本企業だけで日本標準の技術を開発しても、自動車は世界標準にならないと、普及しません。参加メーカーが日本企業だけでよいのでしょうか?

イノベーションの勢いに陰り 主犯は日本

ウォール・ストリート・ジャーナルの5月27日の記事に、タイトルが“イノベーションの勢いに陰り 主犯は日本”がありました。“主犯が日本”はすごいタイトルの付け方だなと感心しましたが、原文記事では“Innovation Shows Signs of Slowing”とだけあり、“主犯が日本”のタイトルはありません。読者を引き付けるための翻訳者の才能の一端を拝見しました。

http://jp.wsj.com/articles/SB11729237550577364065404581011160731007434

さて記事の内容を見てみますと、世界の特許認定件数の増加率は2009年のリセッション以来、最低水準となっているそうです。
2014年は半導体テクノロジーでの発明件数が5%減少し、医療機器に関する発明は6%減、航空・防衛関連の特許件数は1%減少したそうです。なぜか私の得意な技術分野ばかりです。
一方、発明件数の増加ペースが速い分野は、食品やたばこ、発酵飲料で、21%増加しているそうです。これらの技術分野は私は不得意です。

“主犯が日本”に関連する記事内容は、日本企業が手当たりしだいに膨大な数の特許を維持するのはコストがかかりすぎると感じて、特許出願件数や維持している特許を減らしていると想定しています。
その想定は私も当たっているように思います。しかしながら、再び日本企業が世界のイノベーションを牽引してほしいです。

発明と結婚したケーレンの発明品セグウェイ(Segway)

本日のニュースで「セグウェイを中国のスタートアップNinebotが買収。」の記事がありました。
真相を確かめるため米国SegwayのHPで確認してみますと、“NinebotとSegwayとが戦略的合併”とのニュースリリースがありました。今後SegwayがNinebotの完全子会社になるようです。

http://www.segway.com/segway-resources/downloads/pdfs/News-Release-Segway_Ninebot_Press-Release_04_15_15.pdf

さて、セグウェイを発明した発明家ディーン・ケーメン(Dean Kamen)氏は、セグウェイだけでなく、薬品を一定量ずつ投与できる機械、ポータブル人工透析装置及び四輪から二輪に立ち上がる電動車いすも発明しました。
技術分野が多岐にわたり、いろいろ場分野に精通しているため本当にすごい発明家だなと私も思います。彼は「発明と結婚した」と公言し、独身のままです。

発明と結婚しなければ、セグウェイが生まれなかったのでしょう。

フリクションボールはニーズに気付いて開発できた

仕事柄、書類に記名したらその記名が消えては困るので、フリクションボールペンを使用していません。
しかし、子供たちの筆入れにはフリクションボールペン入っています。初めてフリクションボールペンの文字を消したときには、“おー”と声が出てしまいました。

さて、ビジネス書等の書評を出しているダ・ヴィンチのニュースで、滝田誠一郎氏著『「消せるボールペン」30年の開発物語』(実業之日本社)の書評がありました。

http://ddnavi.com/news/235048/

そもそもは温度が変わると色が変わるインクを開発しており、その過程で、「ある色から別の色へ」ではなく、「ある色から透明に」することはできないか?」との質問を受けたために、フリクションボールペンを開発したようです。
まさに「必要の母は発明の母 necessity is the mother of invention」ですね。

化学等の発明では、予想しないものが生まれてくることがあるようで、ずいぶん前ですが知り合いから「文字が書けない紙」の用途がないかと問われたことを記憶しています。

発明したコーティング剤を紙に塗ると、その紙に鉛筆等で文字が書けなくなるそうです。そんなシーズを提供したにもかかわらず、「文字が書けない紙」がどこに用途があるか分からないというのです。

ニーズが先かシーズが先かは、製品開発の永遠の問題かもしれません。

失敗作の少なさが懸念材料

3月17日の日本経済新聞の“ニュースこう読む”にアップルが直面する「成功の罠」の記事がありました。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO84438410W5A310C1000000/

この記事では、アップルがApple watchで時計市場に参入することが成功しても失敗してもアップルに良いことであると説明されています。

企業にとってこうした失敗は少なければ少ないほどいいはずですが、失敗を恐れるあまり別の分野に飛び出さず、企業が自身の得意分野や過去に成功した技術領域をさらに深掘りして次のイノベーションを生み出していくと、イノベーションの種が枯渇していくというのです。
その枯渇を回避するには、今まで経験のない分野や過去に失敗した分野にも知見を広げて次のイノベーションの源泉を確保する必要があるとのことです。

日本も高度経済成長の中、企業の成長と共に多角化が進展してきました。 しかし、バブル崩壊を迎え、多角化企業の経営効率の悪さが指摘されるようになると、「選択と集中」と言われる反多角化の流れが生まれ、今の日本もその流れが強いと思います。

失敗は成功の基といわれるように、失敗は発明(イノベーション)を生み出す原動力になります。でも経営効率を考えますと、今まで経験のない分野や過去に失敗した分野にトライすることはよいことでしょうか。
アップルは世界一の時価総額だから、大きな冒険ができるのではないでしょうか。

知財の国際収支統計は底上げされている

3月16日の日本経済新聞の朝刊3ページに「発明の稼ぎ、実は上げ底」の記事がありました。

知財の国際収支は、日本企業が海外に特許や著作権などを販売したりライセンスしたりして得る収入から、日本企業が海外に支払う支出を差し引いて計算しています。知財の国際収支は、著作権と産業財産権(特許や実用新案、意匠、商標)との2つの収支で計算されています。
2002年の国際収支の赤字から2003年に黒字に変わり、その後収支統計額がどんどん増えています。
このため私は、外部企業との特許ライセンス交渉が成功しどんどんライセンス料は入っており、且つ日本漫画が世界的にヒットしているため著作権のライセンス料も入っているものと思い込んでました。

しかし、13年度の収入は7割が日本企業の海外子会社からだそうです。これまで内訳まであまり知らなかったせいで、私は、日本の技術力は高く特許取得数も多いので外部企業からライセンス料等を稼いでいると思っていました。
外部企業との取引で得た黒字が企業内取引の黒字を上回っている業界は、医薬品などごく一部しかないそうです。

一般に、日本製品は海外製品に比べ技術的に優れていると言われています。外部企業からライセンス料をもぎ取る交渉力を磨き、さらに技術の標準規格などで日本企業が主導権を握ることで、実質的に国際収支が大幅黒字になってほしいです。

バイオマスから水素を製造

トヨタ自動車は、燃料電池車(FCV)に関連する特許の実施権を無償で提供することになりました。多くの自動車メーカーがFCVに参入してくると思いますが、水素ガスをどのように得ていくかも重要な問題です。
現地時間1月29日のロイターの短い記事に、Cortus Energy(コータスエナジー)が水素ガス製造で米国特許を取得という記事がありました。

http://www.reuters.com/article/2015/01/29/cortus-energy-brief-idUSFWN0V706Z20150129

調べてみますと、Cortus Energyは、スウェーデンの会社で、再生可能なエネルギーガスを製造する会社です。
http://www.cortus.se/about.html

さて、Cortus Energyが取得した米国特許8,932,374は、バイオマスから水素を製造する方法発明です。FCVが排気するものは水だけですが、水素を製造するのに化石燃料をたくさん使っていては意味ありません。
バイオマスから水素を製造できるなんて素敵ですね。本当に再生可能なエネルギーです。

特許を取得することと実用的な発明であることとは関係しませんので、この特許がどれぐらい有効なものか分かりません。でも、バイオマスから水素を製造する方法が確立されていくと良いですね。

日本の技術力復活

あけましておめでとうございます。今年もブログを継続して掲載していきたいと思います。

1月1日の産経新聞の記事“社会構造すら変える「新技術」 技術力こそが日本の生命線である”で、日本の技術力の復活を知ることができます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150101-00000515-san-bus_all

記事によりますと、平成25年度の特許使用料などの「技術輸出」による受取額は2年連続で増加しているそうです。
今年は、どのような新技術・新ビジネスがニュース等で取り上げられ、成功していくのでしょうか。
特許出願等でお手伝いした技術が、今年はビジネスで成功してくれると願っています。