ベンチャー企業が中国で実用化

11月11日のエキサイトニュースに、ベンチャー企業が電気自動車(EV)に車載できる急速充電器を中国で実用化に向けて動き出す記事が載っていました。
https://www.excite.co.jp/News/economy_clm/20171111/Jcast_kaisha_313574.html

株式会社エネルギー応用技術研究所は、記事では栃木県の会社と紹介されていますが、HPでは川崎市の会社のようです。

調べてみますとベンチャー企業ながら、特許出願を多く出願しており、また国際特許出願も行い、外国でも権利取得に努力していることが伺えます。
今回の記事では、日本の特許権が2件紹介されています。1つは大型蓄電池に関する特許発明で、もう一つは急速充電器に関する発明です。確認していませんが中国でも特許権を取得していると思われます。 
急速充電器に関する発明は、急速充電器を車載しなければなりませんから、電気自動車メーカーの協力が不可欠です。これに呼応してくれたのが中国の電気自動車メーカーなのでしょう。
日本のベンチャーの活躍を見守りたいです。

ギャラクシー8sのデザインかギャラクシー9sのデザインか

現地時間11月5日のAH Android Headlinesの記事に、サムスン電子(Samsung)が韓国特許庁で“携帯情報端末”という名称で意匠権を取得したことが報じられていました。
https://www.androidheadlines.com/2017/11/samsung-awarded-new-design-patent-korea.html

昨年末に意匠登録出願して、10月25日に登録され11月1日に意匠公報に掲載されたようです。
記事に示されている意匠図面は、ギャラクシー8sの実物とも多少違います。このため記事では将来登場すると思われるギャラクシー9sの意匠かもしれないと言っています。

日本の意匠制度には、意匠権の設定登録日から3年以内の所定期間の間、登録意匠の内容を意匠公報等に公告せずに秘密状態にする秘密意匠制度があります。これと同様な意匠制度が韓国にもあります。しかし欧米には秘密意匠制度はありません。
このため、この出願がギャラクシー9sのデザインであるならば、サムスン電子は秘密意匠制度を使ってくると思います。このように考えると、この登録意匠は、ギャラクシー8sではないでしょうか。
一方、ギャラクシー8sも9sも世界中に販売するのでしょうから、欧米には秘密意匠制度がないことを考慮して、サムスン電子は韓国の秘密意匠制度に拘泥することなくギャラクシー9sのデザインとして意匠登録出願しているかもしれません。

来年の初夏にギャラクシー9sが発表されるでしょうから、そこでこの意匠登録がギャラクシー8sも9sのものかはっきりするでしょう。

「消せるボールペン」特許、消えない業者の摩擦

10月25日付の読売新聞の記事のタイトルの上手さに、思わず唸ってしまいました。このブログのタイトルは、読売新聞のこの記事のタイトルです。記事では、筆記具トップのパイロットと同業界2位の三菱鉛筆とが、消せるボールペンで長く争っていることが書かれています。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20171025-OYT1T50149.html

パイロットの「フリクション」はもう販売されて10年経つのですね。私も時々使っています。鉛筆の文字は紙に黒鉛の粒子が付いているので、それを消しゴムで削り落とす仕組みです。フリクションは、ボールペンで書いた文字や線を熱でそのインクを無色化するという仕組みです。「フリクション」の販売当初は、どうしてボールペンで描いた文字が消えるのか大変不思議に感じていました。

さて、記事に挙がっているパイロットの「フリクション」の特許は、特許4312987です。この特許に対して三菱鉛筆が無効審判して無効審決が出ました。そして三菱鉛筆は今年1月から「ユニボール アールイー」という商品を販売したようです。
しかし、無効審決に対して知財高裁で争われた結果、今年3月に特許有効と判断され判決が確定したようです。
今度は、パイロットが三菱鉛筆の「ユニボール アールイー」を訴えたということです。本当に、読売新聞の記事のタイトルは言い得て妙です。

クアルコムがアップルを北京知的財産法院で提訴

6月、7月及び9月とブログで、アップル(Apple)とクアルコム(Qualcomm)との特許訴訟を取り上げてきました。
今度は、中国でのiPhoneの製造と販売の差止請求を求め、クアルコムがアップルを9月29日に北京知的財産法院で訴えたとのことです。現地時間10月13日付Bloombergが報じています。
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-10-13/qualcomm-seeks-china-iphone-ban-escalating-apple-legal-fight

売上が多い国で特許訴訟することはよくあることなのですが、知的財産制度の導入が新しい中国で米国企業同士が訴訟するなんて想像していませんでした。
アップル製品の売り上げ(iPhone以外の製品も含む)は、米国、欧州、中国及び日本の順番です。中国での売り上げは日本の3倍ぐらいです。売上順位なら、本来は欧州のはずですが、一国の売り上げでは中国が勝るから中国で訴訟したのかもしれません。

記事によりますとクアルコムの特許は、標準必須特許ではない3件の特許のようです。標準規格以外の特許での訴訟となると、これまで米国で互いに訴訟している内容とは異なる主張が飛び交うことになるのでしょうか。
アップルとサムスン電子(Samsung Electronics)との特許訴訟は世界各地で行われましたが、同じような様相を呈してきました。一国当たりの売り上げから考えるとが次は日本でクアルコムがアップルを訴えるかもしれません。

TC Heartland最高裁判決後の米国特許訴訟の裁判管轄

3月24日5月23日付のブログで、米国特許訴訟の裁判管轄(Venue)を取り上げました。米国最高裁は、フォーラム・ショッピング(forum shopping)を認めず、、「特許侵害訴訟は、被告が法人登録している州の裁判所、または、侵害行為が発生し、さらに、被告が日常的かつ確立された事業拠点を持つ地区(where an act of infringement has occurred and the defendant has are “regular and established place of business”)の裁判所でしか提訴できない」と判示しました。

その後、米国特許訴訟の裁判管轄がどのようになっているか取り上げた記事がありましたので紹介します。現地時間10月13日付のarstechinicaの記事です。
https://arstechnica.com/tech-policy/2017/10/patent-cases-in-east-texas-plunge-more-than-60-percent/

最高裁判決前の90日間と判決後の90日間の特許訴訟件数を比べています。テキサス州東地区裁判所で特許訴訟は、判決後約60%以上減っているようです。一方、多くの会社が法人登記しているデラウェア州裁判所は、70%増えています。
ハイテク企業が多いカリフォルニア州北部地区裁判所は、判決当時は件数が増えるだろうと予想されていましたが、当初予想したよりもカリフォルニア州北部地区裁判所での特許訴訟は増えていないのかもしれません。

IPRにおける補正されたクレイムの特許性は請求人が証明すべき

現地時間10月4日に、Aqua Products, Inc. v. Matal,(アクアプロダクトv. メイタル)のCAFC(連邦巡回区控訴裁判所)の大合議(En Banc)判決が出たようです。
現地時間10月4日付のIPwatchdogが報じています。

http://www.ipwatchdog.com/2017/10/04/federal-circuit-aqua-products-patentability-burden-amended-claims-petitioner/id=88855/

特許庁審判部(PTAB)が行う当事者系レビュー(Inter Partes Review:IPR)制度は、当事者対立構造の特許無効手続です。特許権者は、IPRにおいて1回のみクレイムの補正を行うことができます(316条(d))。これまで、補正されたクレイムの特許性については、特許権者がその特許性を証明してきました。
今回のCAFCの大合議判決は、補正されたクレイムの非特許性の証明を請求人が負うという判決です。
316条(e)には、「請求人は、証拠の優越(preponderance of the evidence)に基づき非特許性の主張を証明する義務を負う」と規定されているのですが、補正されたクレイムの特許性又は非特許性の証明を特許権者か請求人のどちらが責任を負うのか明瞭でなかったため、今回の大合議判決で指針が示されたということです。

ITCがシャープ特許侵害で、ハイセンスを調査

一時はどうなるか心配されたシャープですが、鴻海(ホンハイ)精密工業の支援によって、どんどん元気になってきているようですね。その勢いがシャープ知的財産部門にも及んでいるようです。
現地時間9月28日付のロイターの記事によりますと、ITCがシャープ特許侵害でハイセンスを調査することになったそうです。
http://www.reuters.com/article/us-sharp-hisense/u-s-trade-body-will-probe-sharp-hisense-patent-dispute-idUSKCN1C232G

シャープは、8月に国際貿易委員会(ITC)にハイセンス(Hisense Group Co Ltd 海信集団)を特許侵害で訴えました。その結果、ITCが関税法337条に基づきハイセンス調査することを決定したようです。

7月28日のブログ記事に記載しましたが、シャープが経営不振で米国から撤退した際に、シャープがハイセンスに米国市場での商標「シャープ」及び商標「アクオス」の使用を許諾しています。
そのハイセンスの製品が低品質ということであれば、ブランドイメージを下げるという理由で、契約解除してもよいのではないかと思います。
それにもかかわらず、今度は特許権侵害でハイセンスを訴えています。ハイセンスと特許ライセンス契約していなければ、シャープの行動は正当な権利行使です。
しかし、商標ライセンスしている会社に対して、商標及び特許訴訟を提起しているということは、記事に出ない何らかのトラブルが両社間にありそうです。
記事にある通り、シャープが自身のブランドで高品質TVで米国に再参入を考えているからでしょうか?

クアルコムがアップルに提起した2つの事件で負ける

これまでブログ(6月21日、7月25日)でも、アップル(Apple)とクアルコム(Qualcomm)とのライセンス料に関する訴訟を取り上げてきました。互いに複数の訴訟を提起しているため、ライセンス料に関する訴訟もどの事件のどの結果ですかしっかりと追いかけることができません。

しかしながら、クアルコムがアップルを訴えた2つの事件で負けたことが、現地時間9月20日付Appleinsiderに掲載されていました。
http://appleinsider.com/articles/17/09/21/qualcomm-loses-two-key-rulings-in-its-patent-royalty-fight-with-apple

一つはアップル製品の製造会社にライセンス料を支払わせることを禁じました。もう一つはアップルに他国において独占禁止法で提訴することを止めさせることを禁じました。
クアルコムは、LTEなどの高速通信に関する基本特許を複数有していますが、今後アップルは、クアルコムのライバルのIntelとの通信チップの契約や、自社でチップの開発を加速させていくようです。

iPhone 8やiPhone Xの通信チップには何が使用されているかわかりませんが、どんどんクアルコムのチップが減っているのでしょうね。

EVの将来は、バッテリーチャージの時間短縮か?

この9月に日産自動車が新型「リーフ」を販売開始し始めましたが、最初の「リーフ」をレンタカーで2日間借りたことがあります。100%充電で公称140kmだったと記憶していますが、60kmぐらい走ったところでバッテリーが20~30%になり、停まってしまうのではないかと心配で日産の販売店に持ち込んで充電してもらった経験があります。急速充電ではありませんでしたが、約2時間半で60~70%前後ぐらいになった記憶があります。そしてやっと安心して、販売店から出発できリーフで自宅まで戻ってきました。

さて、現地時間9月18日のthe driveというサイトが、テスラ(tesla)の公開特許を報じています。
http://www.thedrive.com/sheetmetal/14418/tesla-files-patent-for-15-minute-battery-swapper

テスラはバッテリーが大きいですから100%充電には200V充電で半日以上かかるようです。さすがにこれでは困る人も多いだろうという発明です。今回のテスラの公開特許は、バッテリー自体を15分で交換する発明です。
審査前の請求項1の発明のシステムは、EV車を持ち上げる車両リフト、EV車からバッテリーを外して降ろすバッテリーリフト、外したバッテリーを運ぶコンベアを有しています。そしてそのコンベアでチャージされた別のバッテリーをリフトまでコンベアで運び、EV車に別のバッテリーを取り付け、その後車両リフトが降りるというシステムです。

特許になるときは発明が限定されていると思いますが、バッテリーを如何に早く充電できるようにするかが今後EV業界では重要になるのでしょうね。

音楽を聴きながらジョギングして、ライト点滅

前回のブログに引き続き、ランニングネタの公開特許を見つけました。
夜間に車を運転していると、無灯火の自転車を運転又はランイングしている人を本当に認識しにくいことに気が付きます。このため、自分がランニングする際には、必ずライトをつけます。昼間のランニングでも、トンネル内に入るとiPhoneのLEDフラッシュライトをつけます。

現地時間9月7日の9to5MACの記事は、アップル(Apple)の9月7日の公開の米国公開公報20170255351が、ランニング中に腕に取り付けたiPhoneがピカピカ点灯する発明を開示していることを伝えています。
https://9to5mac.com/2017/09/07/apple-patent-backlight-strobe-to-music-safety-light/

この公開特許は、音楽の聴くことが前提の特許です。そして、選択した曲のリズムに合わせてiPhoneの画面が点滅するというものです。
そもそも、ランイング中にイヤホンで音楽を聴きながら走ることは、周りの音が聞こえないから危険とか他のランナーの迷惑になるという人もいます。そうするとこの公開特許は活かせる場がなくなります。
特許の話ではないですが、夜間のランニングでは怪我をしたことを想定してスマートフォンを持って走る人が多いと思います。スマートフォンの画面をLEDフラッシュライトを点滅させたり点滅させたりする機能があると、安全に夜間ランニングできると思います。