ウォルマートは農業に進出するのか

ウォルマート(Wamart)はアマゾン(Amazon)と、日用品及び食料品の自宅配送で争っています。ウォルマートは、配送技術の特許出願をアマゾンに対抗してたくさん出願しているようです。
しかしながら、bigthinkというサイトの記事によりますと、ウォルマートが受粉等をするドローンを特許出願しているとのことです。
http://bigthink.com/news/walmart-just-filed-a-patent-for-autonomous-robot-bees-amid-ongoing-battle-with-amazon

食料品、特に果物等は受粉して実をつけますから受粉は大変重要です。ハチが受粉したり、農家が人海戦術で受粉したりしていることもあると思います。ウォルマートはここに目を付けて、農業に本当に進出するかは別として、ドローンで受粉させる特許出願をしたようです。
ちなみに、記事ではこのドローンをロボットバチと記載されていますが、3月8日に公開された米国公開特許公報20180065749ではUAV(Unmanned Aerial Vehicles無人航空機)と記載しています。
また請求項1では、このUAVは、第1の花から花粉を受けて第2の花へ受粉し、センサが第2の花が受粉したかを確かめることが記載されています。
ドローンというと、都市・農地等の空中撮影、荷物運び又はディズニー等が催すショーなどで使われることを勝手に想像していましたが、受粉にも使えるのですね。

アップルの接続コネクタが変更されるか

アップル(Apple)の昔のipod(第5世代)等は30ピンDockコネクタを使用していました。そしてiPhone5以降ipadなども含めて8ピンのLightning(ライトニング)コネクタが採用されています。アップルは、ライトニングコネクタに関する特許権及び意匠権を取得しており、アップルの許諾がないと第三者がライトニングコネクタを製造販売できないようになっています。

3月9日のCNETが、防水機能付きのライトニングコネクタが米国特許公開になっていることを報じています。
https://www.cnet.com/au/news/apple-has-ideas-for-waterproof-lightning-connectors/

3月8日に公開された米国特許公開2018-0069356には多くの実施形態が掲載されています。特許出願されたものが実際に商品化されるか否かは別であり、公開されたものが商品になるわけではありませんが、多くの実施形態があることもあり、どんな商品がでるのか特定もできません。

私自身は 30ピンDockコネクタ又はライトニングコネクタで防水機能がなくて困ったことがありません。でも雨の中ずぶ濡れで走りながら、iPhoneをバッテリー充電することもないわけではないでしょう。
アップルは、新しい市場創造のため現状のライトニングコネクタと防水機能付きのライトニングコネクタに互換性を持たせないかもしれませんが、余分な費用を掛けたくない私は互換性があってほしいと願います。

仮想通貨に関する特許取得は、バンカメが一番

毎日のように、Bitcoin(ビットコイン)やNEM(ネム)等の仮想通貨に関するニュースが飛び交っています。Bitcoin.comというサイトで、仮想通貨に関する特許及び特許出願の記事を見つけました。
https://news.bitcoin.com/bank-america-filed-cryptocurrency-patents-company/

ビットコインのチェーン・ブロックが9年前に登場したようですが、それから2,000件もの関連特許出願があるそうです。グラフに表示されているように2015年から指数関数的に仮想通貨に関する特許出願が増えています。なお、このデータが米国特許公開公報から算出しているのか、国際特許公開から算出しているのか等の言及がありません。Bitcoin Patent Reportのリンク先がありましたが、Bitcoinで購入しなければ読むことができないので諦めましたが、そこにデータの算出元が載っているのかもしれません。
取得特許数では、バンクオブアメリカ(Bank of America)がトップを走っています。記事で驚いたのは、仮想通貨(暗号)関連特許出願の50%は中国(910)であり、米国(676)、英国(112)、韓国(98)に続いているようです。日本が登場しないのはちょっと寂しいです。

日本が世界に先駆けて、仮想通貨交換業者を登録制にしたことの是非が、話題になっていますが、日本として仮想通貨をバックアップしている背景があると思います。また実在人物かいるのかわかりませんが、ナカモトサトシ(Satoshi Nakamoto)という日本人名がチェーン・ブロックの発明者であるならば、日本人又は日本企業によるの仮想通貨に関する特許出願が少ないのが残念です。

パテント・トロール Blackbirdが敗れる

最近、パテント・トロールの記事を見ていませんでしたが(気が付かないだけかもしれませんが)、久しぶりにパテント・トロールの記事を見つけました。
現地時間2月14日のZDNetの記事によりますと、パテント・トロールであるブラックバード(Blackbird) が、クラウドフレア(Cloudflare)を特許侵害で訴えていた事件で、米国特許6453335が無効ということで、パテント・トロールが敗訴になったとのことです。
http://www.zdnet.com/article/cloudflare-emerges-triumphant-in-blackbird-patent-lawsuit/

クラウドフレアとは、CDN(Contents Delivery Network)で成長している会社です。CDNは、実配信サーバーからコンテンツファイルをISP(プロバイダ)に近いキャッシュサーバーにまでデリバリーして高速化する技術です。
米国特許6453335の公報では、個人発明家が権利者になっていますので、特許後にブラックバードに買い取られたことが想像できます。特許訴訟が行われた裁判管轄地は、テキサス州の連邦地方裁判所ではなく、カリフォルニア州北部地区の連邦地方裁判所です。

記事によりますと、ブラックバードはクラウドフレアに直接交渉していたようですが、クラウドフレアはその和解交渉に応じなかったとのことです。そして裁判所は、特許発明が抽象的であり無効であると判示しました。
ブラックバードはCAFCに控訴できますが、ブラックバードは控訴して判決がひっくり返らないと本件特許を使って訴訟を起こすことができなくなります。

生鮮食料品のEC

我が家ではネットスーパーで野菜、果物又は食肉といった生鮮食料品を買うことは少ないです。オイシックス又はらでぃしゅぼーや等の宅配サービスもほとんど利用していません。
何となく、生鮮食料品は形や色を目で確認して買いたいという要求があるのかもしれません。しかし、形や色を目で確認して生鮮食料品を購入するようになるのも、すぐそこかもしれません。

1月29日のCNET Japanの記事によりますと、ユーザーがオンラインスーパーで生鮮食料品を注文する際、発送前に実際の商品を画像で確認してから注文できる発明を、ウォールマートが出願しているとのことです。
https://japan.cnet.com/article/35113879/

ざっと実施例を見ただけですが、店員が実際の生鮮食料品を画像スキャンして、そのスキャンした画像データを買い物客が見ることができる発明です。さらにこの発明は、その生鮮食料品に“すかし(マーク)”を入れて、実際に買い物客が見た画像データと生鮮食料品とが一致していることを確認できるようにしています。
コストがかかると思えるので、実際にこの発明がウォールマートで実施されるか疑念も生じますが、オンラインスーパーで買い物客が生鮮食料品を買いたいニーズを満たしてくれる発明です。

特許図面で出てくる有名キャラクタ

「サムスンの特許になぜか「日本人ならみんな知ってるあのキャラ」が…」というタイトルの記事を見つけました。1月20日付の“カミアプ”というサイトです。
http://www.appps.jp/284480/

記事にありますように、スターウォーズの図柄、トトロの図柄などが描かれています。日本特許庁に日本出願した場合には、これらの図柄があることで、手続補正指令が特許庁から発せられます。理由は、著作権違反ではなく公序良俗違反です(特許法32条)。特許法には著作権違反等で補正命令する条文が無く、もっと広く法律違反している特許出願に対して、手続補正指令が発せるようになっています。例えば、特許明細書中に登録商標をその明示もなく記載していていると補正指令が発せられます。

さて、そもそもこの記事は国際特許公開公報WO2018/012719号に基づいた記事です。公開公報には代理人も載っていますが、韓国の代理人が韓国特許庁経由で英語出願したことがわかります。韓国特許法32条(日本と同じ)にも、公序良俗違反の規定があります。
韓国特許庁はこの公序良俗違反の規定をどのように運用しているかわからないのですが、明らかな著作権違反ですので、韓国特許庁はこれらの特許出願の方式チェックの際に、気が付くことができたのではないかと思います。または韓国特許庁の方式審査の担当者が、スターウォーズ又はトトロを知らないということかもしれませんが。
ちなみに、日本特許庁は、ディズニー社が自社が持っている著作権のミッキーの絵が入った図面を含む特許出願でも、公序良俗違反で手続補正指令を発します。もちろん理由は、著作権違反ではなく、宣伝・広告を目的とする特許出願という判断です。特許出願にミッキーの図柄を使う正当な理由はないですからね。

マインドコントロール

「マイクロソフトはマインドコントロールを特許したがっている」という記事を見つけました。マインドコントロールと聞くと、他人の思想や意思をコントロールして、特定の結論へと誘導すること、つまり洗脳を意味するかもしれませんが、マイクロソフトの目指しているマインドコントロールは少し違います。

https://www.theregister.co.uk/2018/01/15/microsoft_bci_patent_application/

2018年1月9日に発行された米国特許9,864,431の発明の名称は、「神経学的データを使用してアプリケーションの状態を変化させる」とあります。ユーザーの頭部に帯状のセンサを装着して脳波記録(EEG:electroencephalography (EEG))し、ユーザーが意図する神経学的データに基づき、意図された操作に合わせてアプリケーションの状態が自動的に変化させるというものです。
また神経学的データだけでなくさらにジェスチャーを加えて、手作業でメニューを選択することなく、さまざまなタスクを実行できるようになると開示されています。

10年前は自動運転技術など夢物語と思っていたのに、もう数年で実用化されようとしています。自分の意図だけで手作業などしなくても、コンピュータが仕事をしてくれるようになるのでしょうか。

特許切れで製品価格がどれぐらい安くなる

3Dプリンターの価格が下がり、2万円を切るような低価格製品の投入が相次いでいるそうです。
日本経済新聞の12月14日の記事によりますと、3Dプリンターの特許の存続期間(出願から20年)が満了してから、関連する主要技術の特許もどんどん期限満了になっているのが原因とのことです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24418400Y7A201C1XQD000/

一定期間内に特許で利益を独占でき、それ以降は広くその特許技術を自由に使用できるようにする特許制度の主旨の通りになっているのですね。

日本の医薬品も特許の存続期間が満了すると、後発医薬品メーカが後発医薬品を製造できます。しかし日本の国民(患者も医者も)が、特許で保護されていた医薬品(いわゆる「長期収載品」)を、後発医薬品が出てきた後でも、使用したがる文化があるようで、後発医薬品が他の先進国と比べ広がらないようです。
私自身は後発医薬品を気にしない方ですが、私の知人に、長期収載品にするように、処方箋を書く際に医者に注文する人がいます。

さて、長期収載品に依存する企業にも逆風が吹いています。週刊ダイヤモンドは2月12日に「特許切れ先発薬の薬価引き下げ」の記事を出しています。
http://diamond.jp/articles/-/152586

特許が切れれば、すぐに製品は安くなるというわけではなく、特許で独占していた間の商品の評判が良いと、しばらくは商品が後発メーカよりも高くても売れるということなのでしょうね。

携帯端末の特許ライセンス料

A社がB社に支払う特許ライセンス料は、秘密保持の契約によって第三者が知り得ることはありません。しかしアップル(Apple)とクアルコム(Qualcomm)との特許ライセンス料に関する訴訟で明らかになることもあります。
EE Times Japanが” Qualcommが5Gのライセンス方針を公開”との記事で12月4日に報じています。
http://eetimes.jp/ee/articles/1712/04/news060.html

エリクソン(Ericsson)とクアルコムは、それぞれ5G(第5世代移動通信)標準必須特許(Standard Essential Patent)の特許ライセンス料を発表したようです。エリクソンは携帯電話機1台につき5米ドル、クアルコムは携帯電話機1台につき卸売価格の2.275%だそうです。
上限を決めているだけで交渉の余地があるそうですが、エリクソンとクアルコム以外の会社の標準必須特許に対しても、各社が特許ライセンス料を課していくと、携帯端末価格の10%以上が特許ライセンス料になるのではないでしょうか?

記事にもありますが、特許ライセンス料が高過ぎるか否かの判断は市場に委ねられます。標準必須特許の特許ライセンス料は“標準”で“必須”であるから低くなるべきなのに、10%は高すぎるでしょうと思うのは私だけではないと思います。

著作権法 同一性保持権

11月18日付けの産経WESTに、“「モンハン」プログラム改変で手数料”の記事が載っていました。
http://www.sankei.com/west/news/171118/wst1711180012-n1.html

「モンハン」とは「モンスターハンター」のことのようですが、私自身このゲームをプレイしたことがなく、テレビのコマーシャルぐらいでしか知らないのですが、人気ゲームのよういですね。
このゲームは、モンスターを退治して、キャラクターの武器を強化していくゲームのようですが、本来あり得ないほど強化された武器を持つように改変する会社員が捕まったとのことです。

著作権法には著作者人格権というものがあり、その一つに同一性保持権(20条)があります。この権利は、著作物の同一性を保持し著作者の意に反して変更などの改変を認めさせない権利です。
産経WESTの記事では著作権のどの規定に違反したと詳細に記載されていませんが、同一性保持権の違反だと思います。

著作権の同一性保持権の違反では、“ときめきメモリアル”の事件が有名です。憧れの女の子に告白するために、レベルを上げていく必要があるのですが、レベルを改変するソフトを販売した業者も、同一性保持権の違反で捕まりました。
大学の授業で、“ときめきメモリアル”のゲーム名を挙げても、大学生は古いゲーム名を知っておらず、同一性保持権の説明に活かされていませんでした。 “モンスターハンター”なら今の大学生は知っているでしょう。