月別アーカイブ: 2016年12月

もう片方の靴下はくっついている?

ほほえましい発明の記事を見つけました。Techableというサイトの12月13日付けの“もう絶対、靴下の片足だけ紛失しない!特許申請中のくっ付く“マグネット式靴下”というユニークな記事です。 http://techable.jp/archives/50904 靴下の片方が見つからないことは誰もが経験していると思います。洗濯の際なのかタンスへの収納の仕方が悪いのか、たびたび靴下の片方が見つからないことがあります。 確かに、マグネット式で一対の靴下が引っ付いて洗濯できたり、タンスに収納できると、片方が無くなることは少なくなるだろうと思いました。 特許申請中ということでJ-PlatPatで調べてみましたが、該当する特許出願は見つけることができませんでした。未だ出願公開されていないのでしょう。 一方、J-PlatPatで調べてみると、血行を良くするためマグネットを入れた健康靴下の公開公報がたくさんありました。 そうしますと、記事にある“世界初の“マグネット式靴下”というのは、少し誇張しすぎですね。 今回の発明品は、靴下の履き口あたりにあるアップリケ部分にマグネットが内蔵されているようなので、マグネットの取り付け位置を規定して特許が取得できるかもしれません。 インターネットで不特定多数の人から資金調達可能なクラウドファンディングのIndiegogoで、ファンディングを募集中とのこと。“世界初の“マグネット式靴下”は誇張しすぎを理解の上、ご興味ある方はファンディングにご参加ください。

シック(Schick)とジレット(Gillette)のどちらが良く剃れる?

2016年8月25日のブログで、ジレットとシックとの特許訴訟についてコメントしました。 概要は、ジレットを製造販売しているP&Gが特許訴訟を起こした発端は、シックを製造しているエドウェル社(Edgewell Personal Care Co. )が、自社商品に、“Mach3(ジレットの三倍場の替え刃式カミソリ)よりも良く剃れる”と書いて販売したことのようです。 現地時間12月13日付けでシンシナティ(cincinnati)の記事で、その特許訴訟が和解になったことが取り上げられています。 http://www.bizjournals.com/cincinnati/news/2016/12/13/p-g-settles-lawsuit-over-false-advertising-patent.html 和解内容はそもそもわかりませんが、記事を読んでもどちらが得した損した和解であるかがよくわかりませn。 8月25日のブログでは、“エドウェル社担当者が、Mach3の特許権は切れていると言っています。”と記載しました。確かに今年4月10日に権利が切れているようです。 カミソリのように、切れ味良い判決を期待していたのですが、切れ味が悪い(よくわからない)和解になってしまいました。

秘密情報の保護ハンドブック

中小企業の社長から、「大会社を退職した人からある製品の製造依頼を受けたが、営業秘密で訴えられることは?」、「従業員がデータを持ち出して転職してしまったので何とかしたい!」等の相談が時々あります。 経済産業省が出している営業秘密管理指針を読めば、詳しい情報が記載されているのですが、法律等をよく知らない中小企業の社長が一から読むようなものではありませんでした。 12月5日に、経済産業省は、秘密情報の保護ハンドブックの“てびき”を公表しました。以下の上段のURLです。また電子ブックも公表しています。以下の下段のURLです。 http://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/hbtebiki.pdf http://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/2016_11_29_12_08_41/index.html#page=1 秘密情報にまつわるトラブル例が、文量を短くし且つイラストを多くして、大変読みやすくなっています。 我々法律家は、より正確にということで事細かく説明してしまうことがありますが、忙しい中小企業の社長さんは、ぱっと見てわかるようなものしか読みたがりません。 このようなハンドブックをこれから経済産業省及び特許庁が作成してくれると、中小企業の社長さんは助かるのではないでしょうか。

Fintechのスタートアップ企業が競合スタートアップ企業を提訴

Fintech業界は、AIを使った投資診断、仮想通貨又はクラウド会計等で、ベンチャーから大手銀行まで投資を加速させている業界です。 そのような状況の中、12月8日付けのTechCrunch Japanの記事によりますと、クラウド会計分野で、freee(フリー株式会社)が、株式会社マネーフォワードに対して特許権侵害訴訟を提起したようです。 http://jp.techcrunch.com/2016/12/08/freee-mf-litigation/ 勘定科目の自動仕訳に関する特許第5503795号で訴訟をしているようです。特許請求の範囲を読む限りは、広い権利範囲で特許になっています。 記事では、マネーフォワード側は「特許侵害の事実はないと考えています。」とコメントしていますが、公知資料などを探し出しているのかもしれません。 J-PlatPatで調べる限り、マネーフォワード側は、特許5503795号に対して特許異議申し立てや特許無効審判を提起していません。 12月12日時点で調べてみますと、freeeが5件の特許公開公報、マネーフォワードが1件の特許公開公報を有していました。 スタートアップ企業であっても、より良い技術を開発し市場を確保していていく上では、知的財産の取得などが重要なことを示しています。 

フェイクニュースを止めるかもしれないフェイスブックの発明

最近、DeNAのWELQ等の複数サイトがそこに掲載されている記事内容に誤りがあったり他サイトの記事の転用であったりして、フェイクニュースに関する記事を目にしています。 そんな中、現地時間12月8日付けThe Daily Dotというサイトは、フェイスブック(facebook)が偽ニュースを止めるかもしれない発明を出願していることを取り上げています。 http://www.dailydot.com/debug/facebook-fake-news-patent/ フェイスブックが出願した発明は、米国公開公報20160350675号で12月1日に公開されたばかりです。 公開された特許の技術は、ポルノやヘイトスピーチといったユーザーを不快にする記事又は投稿内容(以下コンテンツという)を自動で検知するシステムです。この技術を使えばFacebook上でシェアされるコンテンツを自動で検知できる可能性があると、記事は指摘しています。 公開された請求項1のシステム発明は、アップロードされるコンテンツを評価して、その評価点が閾値を超えたら、そのコンテンツがユーザーを不快にするものと判断します。 この請求項1のシステム発明は、権利範囲が広すぎるためこのまま特許になるとは思えませんが、従属請求項の発明では、コンテンツを評価する手法として、ユーザーからの指摘等だけでなく、ランダムフォレスト(random forest:機械学習のアルゴリズム)手法を使うことも記載されています。 このフェイスブックの公開公報の発明が、ポルノやヘイトスピーチ等だけでなく、フェイクニュースにも、どれぐらい適用できるか不明です。 フェイクニュース、著作権を無視したニュース記事の転載などを、効率的に且つ正確に探し出す発明は、今後も各社から出てくるでしょう。