月別アーカイブ: 2016年11月

米国最高裁が、特許消尽論が及ぶ範囲の大法廷判決を覆すかも

現地時間11月29日のロイター記事に、“レックスマーク(Lexmark International, Inc.)特許訴訟に対するチェレンジをリストに載せる”の記事がありました。 http://www.reuters.com/article/ip-lexmark-scotus-idUSL1N1DU0KJ この特許事件は、再利用の改造カートリッジを米国内へ輸入し販売していたインプレッション(Impression Products, Inc.)に対して、レックスマークが訴えていた事件です。 特許消尽論は、特許権者が特許製品を販売することにより特許の権利が消尽するという理論です。外国で正規に販売された特許製品に対して、米国内で販売等することことに対しても特許消尽論が適用されるか否かが争われています。 2016年の2月12日のCAFC大法廷は、10対2で、(1)販売者は自身の特許権を製品の再販および再利用を阻止する目的で使用することができ(Mallinckrodt, Inc. v. Medipart, Inc., (Fed. Cir. 1992))、(2)外国向製品の販売の許諾はその製品に関する米国特許を消尽させない(Jazz Photo Corp. v. Interna-tional Trade Comm’ (Fed. Cir. 2001))と判示しました。 ロイターの記事では、最高裁は、インプレッションの上告を認めるか検討するようです。上告が認められれば特許消尽論が及ぶ範囲に、変更があるかもしれません。

2016年の米国特許訴訟の件数が大幅に減る方向

ここ数年、米国特許訴訟の件数は5000~6000件/年で推移していましたが、今年は約10%減の4500件ぐらいになると予想でそうです。 現地時間11月28日のPATENTLYOに、訴訟件数の記事がありました。 http://patentlyo.com/patent/2016/11/filing-patent-lawsuits.html 特に改正特許法(AIA)以降は、多数の被告を1件の特許訴訟で提訴することができなくなったので、訴訟件数自体が増えていました。 2016年の訴訟が10%程度減る理由については何ら説明がなされていません。私が想像するに訴訟件数が減っているのは、ソフトウエア特許を使った訴訟の勝率が悪くなっているからではないでしょうか。Alice最高裁判決以降、特許無効になっている判決のニュースをよく目にします。

ディズニーがエアバッグ付きのドローンを特許出願

これまで、ディズニーのドローンの関するブログを書いてきました。2014年8月27日のブログでは、液晶画面が曲がるスマートフォンの記事を何度もブログで取り上げてきました。米国公開特許20140231590号等では、ドローンによる巨大な操り人形をフローティングさせるショー、ドローンでスクリーンをフローティングさせるショー、及びドローンによる浮動画素のショーの発明を紹介しました。 現地時間11月17日の以下URLの記事に、“ドローンを包み込む風船のようなエアバックで、ディズニーのドローンを保護”がありました。 http://www.orlandosentinel.com/business/brinkmann-on-business/os-disney-drone-airbag-20161117-story.html そもそも知らなかったのですが、フロリダのディズニーランドでは、11月16日からディズニーはインテルとともに、ドローン300台を編隊飛行させるドローン花火ショー「星が輝く休日(Starbright Holidays)」を開始しているのですね。 そのドローンに使用されているか不明ですが、米国公開特許20160332739号は、加速度センサーが衝突や墜落を検出すると、巨大エアバッグがドローンとプロペラ上下から飛び出し、本体を保護する仕様になっています。 ドローン飛行時に、ドローンが墜落しても、エアバッグでゆっくり落ちて観覧客にぶつかっても、観覧客が怪我しないようにする必要がありますから、重要な発明ですね。 ここ10年ぐらい、日本のディズニーランド及びディズニーシーにも行っていませんが、このような特許公報を見つけると、行きたくなってきました。

折り畳み式のスマホが今後主流に?

これまでも、液晶画面が曲がるスマートフォンの記事を何度もブログで取り上げてきました。画面が大きい方がよいが大きなスマホは持ち運びが大変だという消費者の声を聞いての開発だと思います。 現地時間11月22日のAppleInsiderの記事に、“アップルが、フレキシブルディスプレーを使った折り畳み可能なアイフォン特許を取得”がありました。 http://appleinsider.com/articles/16/11/22/apple-patents-foldable-iphone-with-flexible-display-that-can-clip-onto-clothing 取得した米国特許9,504,170号は、有機EL等の柔軟性の高いディスプレーを有し、画面を内側にして折り畳むことも背面合わせに折り畳むことも可能のようです。折り曲げる位置を2分の1の位置や3分の2の位置で折り畳むこともできます。 折り曲げる角度もいろいろであるため、ディスプレーの一端を弾性部材で引っ張って、フレキシブルディスプレーに“しわ”が発生しないように工夫しています。 11月4日のブログで取り上げましたが、アップルは、カーボンナノチューブを使って中央部分で折り畳むスマートフォンも特許を取得しています。また、折り曲げたり反らしたり落としたりしても壊れないスマートフォン用のフレキシブルディスプレーの特許も取得していたと記憶しています。 近い将来、折り畳み式のスマホが主流になりそうですね。

中国審査指南の改定案

10月27日に中国知識産権局(SIPO)が、ソフトウエア等に関する審査基準(審査指南)の改定案を出しました。パブリックコメントが出せる期日が11月27日までです。 SIPOの英語ページには審査指南の英語版はなく中国語のみで公表されています。このため、以下URLなどの情報をまとめますと、以下の通りです。 http://www.natlawreview.com/article/barrier-to-business-patents-softening-china 1:ビジネスモデル関連発明の保護 改正案では、ビジネスモデル関連発明の請求項が技術的特徴を含む場合、特許権取得の可能性を排除すべきでない旨の規定が追記された。これにより、ビジネスモデル関連発明の請求項が技術的特徴を含む場合に専利法25条の保護適格性を有することが明確化された。 2.ソフトウエア関連発明について 改正案では、現行の審査指南における「当該コンピュータプログラムの各機能がどの構成部で如何に果たされるか詳細に記述しなければならない」との記載が削除され、『上述の構成部はハードウエアを含むことができるだけではなく、プログラムを含むことができる』と改められた。 これにより、「プログラム」が装置請求項の組成部分となることが明確化された。   なお、改定案であり、パブリックコメント等で審査指南が変更される可能性はありますが、ビジネスモデル関連特許及びソフトウエア特許が、これまでより容易に取得できるようになると考えられます。