月別アーカイブ: 2016年2月

サムスン電子とアップルとが特許で痛み分け

現地時間2月26日のロイターに、“サムスン(Samsung)がアップル(Apple)に特許訴訟で勝つ”の記事がありました、 http://www.reuters.com/article/apple-samsung-elec-appeal-idUSKCN0VZ27R 約5年にわたり続いたサムスン電子とアップルによる特許訴訟は、1勝1敗の痛み分けになりました。 今回の事件の前に、アップルがサムスンのスマートフォンのデザインと一部機能を問題視して起こした1件目の特許侵害訴訟では、アップルが、サムスン電子から5億4800万ドルの賠償金を受け取ることになりました。 しかし、「クイックリンク」や「ロック解除」、「入力ミス自動修正」の2件目の特許訴訟では、サムスンがCAFC(連邦区巡回控訴裁判所)で逆転勝訴しました。 今回の控訴審の争点となった3つの機能のうち、「クイックリンク」はスマートフォンの画面に表示された文字にタッチすれば、該当するウェブサイトやアプリが立ち上がる機能です。 「ロック解除」はスマートフォンをスタンバイ状態からロックを解除する機能です。「入力ミス自動修正」は綴りを間違えた場合に、正しい単語を表示する機能です。 CAFCは「クイックリンクはサムスンによる特許侵害はなく、残る2件はアップルの特許が無効だ」と判示しました。 1勝1敗の引き分けで、長年のサムスン電子とアップルとの特許訴訟が終わりに近づいています。 本ブログ及び特許申請、商標登録出願代行等に関するお問い合わせは、下記URLからお問い合わせください。 http://www.itopto.com/otoiawase.html

配車のジャスト・イン・タイム

現地時間2月25日のFortuneに、“Uber(ウーバー)は配車の待ち時間を数分短くする”の記事がありました、 http://fortune.com/2016/02/25/uber-patent-just-in-time-rides/ この記事は、2月25日に公開されたウーバーの米国特許公開2016/0055605の発明について言及しています。 この発明は、例えば電車やバスに乗っているユーザーが、○○駅又は○○停留場で降りたら、ちょうどウーバーは配車車両が到着しているという発明です。 ユーザーが、配車をお願いする○○停留場を入力すると、自分の移動状況がトラッキングされます。そしてユーザーの○○停留場の到着時間が計算されます。その○○停留場にその到着時間までに来ることができる配車車両が選択されて、○○停留場に到着すると配車車両も到着しているというのです。 2015年10月20日、安倍晋三首相は、地方を中心とする特区で、自家用車を使ったタクシー営業を解禁する意向を示しています。 高速バスを使って地方へ向かいその高速バスの停車場に降り立ったら、ウーバーの配車車両がジャスト・イン・タイムに到着していて、地方をめぐることができたらいいですね。 本ブログ及び特許申請、商標登録出願代行等に関するお問い合わせは、下記URLからお問い合わせください。 http://www.itopto.com/otoiawase.html

“カバくん”は誰のもの

2月23日のZUUonlineで、“「カバくん」は誰のもの? 「イソジン」キャラめぐる争い”の記事を見つけました。 https://zuuonline.com/archives/98325 この記事には、「明治は30年以上使用し続けてきた「カバくん」の商標登録をしてこなかった。提携解消とイソジンブランドの移管が発表されたのが12月9日で、登録出願は12月28日に行われている。このことから、明治が提携解消の交渉の間に急きょ商標登録を行ったことが想像できる。」という内容でした。 株式会社明治は、薬や食品を手掛けている会社の老舗です。本当に商標登録出願が12月28日だろうかと疑いました。 そこで調べてみますと、以下のことがわかりました。なお、商品区分はすべて薬剤の第5類です。 文字の商標 “カバくん” 登録5627660 出願日2013/06/24 文字の商標 “カバくんのうがい薬” 商願2015-122491 出願日2015/12/14 文字の商標 “カバのうがい薬” 商願2015-122492 出願日2015/12/14 図形の商標 以下の4種 登録5784517~登録5784520 出願日2015/03/11 確かに、30年以上使い続けて近年まで商標登録してことなったことは事実ですが、文字商標は2013年ですから、提携解消まで何もしてこなかったわけではありません。その点でZUUonlineの記事は誤っています。 またパッケージ用の図形商標以外にも、以下の3件を有しています。 図形の商標 登録5792478~登録5792480 出願日2015/04/02 ZUUonlineの記事で、「登録出願は12月28日に行われている。」とありますので、調べてみますと、将来パッケージ用として使用するかもしれない4件の図形商標でした。 商願2015-129194~商願2015-129197 明治は、商標「カバくん」やキャラクターの商標も多く有していますが、なぜ不正競争防止法でムンディファーマ社と塩野義製薬とを訴えたのでしょうか? ムンディファーマ社等が販売するパッケージで使用する“カバ”のキャラクターが登録商標では類似性がないと考えているのでしょうか? 商標登録は最近だけど、「カバくん」のキャラクターを30年以上使っているため、その周知性・著名性から、不正競争防止法の方が有利と踏んだのでしょうか。 本ブログ及び特許申請、商標登録出願代行等に関するお問い合わせは、下記URLからお問い合わせください。 http://www.itopto.com/otoiawase.html

パテントトロールが被告側に弁護士費用を支払い

現地時間2月24日のarstechnicaというサイトの記事で、“パテントトロールから10万ドルをもぎ取るが、誰が支払うかわからない”の記事を見つけました。なお“誰が”という意味はパテントトロールのオーナーが特定されていないという意味です。 http://arstechnica.com/tech-policy/2016/02/graphiq-finally-beats-patent-troll-will-get-100k-payment/ パテントトロールのLumen View Technology(ルーメン・ビュー) は、複数のベンチャー企業をオンライン・マッチング特許で訴えました。ベンチャー企業のうちのGraphiq(グラフィック:旧社名FINDTHEBEST.COM)がルーメン・ビューと争い、勝訴しました。そして、勝訴側の弁護士費用として10万ドルをルーメン・ビューが支払うというものです。 Graphiqが支払った弁護士費用は35万ドルなので、10万ドルでは「いい投資ではなかった」とGraphiqのCEOであるO’Connor氏は述べています。 記事では、弁護士費用負担についての米国最高裁の判断(Octane Fitness v. Icon Health and Fitness)で新しく適用された基準で、本件は判断された最初の事件と述べています。 2014年2月27日及び4月30日のブログでも記載しましたが、米国特許法285条の「裁判所は,例外的ケース“exceptional case”においては、勝訴当事者に支払われる合理的な弁護士費用を裁定することができる。」に基づきます。 弁護士費用を弁償する必要があることを示す資料として、「明確かつ説得力のある証拠」”clear and convincing evidence”から「優越的な証拠」”preponderance of the evidence”に下げられました。 新しく適用された基準で、弁護士費用の最初の事件と思われます。 本ブログ及び特許申請、商標登録出願代行等に関するお問い合わせは、下記URLからお問い合わせください。 http://www.itopto.com/otoiawase.html

カーネギーメロン大学が900億円の和解金を得る

カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon Univ.)とマーベルテック(Marvell Tech. Group, Ltd.)との7年にわたるハードディスクのチップに関する特許訴訟が和解に至った旨を、現地時間2月17日のロイターが取り上げています。 http://www.reuters.com/article/us-marvell-technlgy-carnegiemellon-idUSKCN0VQ2YE 地裁では、マーベルテックの特許侵害を認めてロイヤリティ損害賠償として約12億ドルを、そして故意侵害を認め加重損害賠償として3億ドルを認めていました(合計約15億ドル)。 控訴審のCAFC(連邦巡回区控訴裁判所)は、地裁で計算された米国に輸入されなかったチップ分の損害賠償を排除しました。 また故意侵害に関しては、「明確かつ説得力を有する証拠(clear and convincing evidence)」による立証を要求すると判断し、この事件では立証が不十分として故意侵害がなくなりました。 結局、CAFCはマーベルテックの特許侵害による2.7億ドルの損害賠償を判示するとともに、チップの販売がどこで行われたかをもう一度判断するために地裁に差し戻していました。 2月17日のロイターのニュースは、差し戻し審でカーネギーメロン大学とマーベルテックとが和解に至ったという記事です。 でも、大学に900億円の損害賠償金が入って来るなんて凄すぎです。日本の大学が特許侵害で企業を訴えて損害賠償を得たというニュースは今まで聞いたことがありません。 本ブログ及び特許申請、商標登録出願代行等に関するお問い合わせは、下記URLからお問い合わせください。 http://www.itopto.com/otoiawase.html