月別アーカイブ: 2015年6月

アップルがベンチャ企業の特許を取得

CNNマネーの記事によりますと、Appleは、バイオメトリックセキュリティ技術のベンチャ企業Privarisが所有する31件の特許のうち26件の特許を取得したとのことです。 http://money.cnn.com/2015/06/26/technology/apple-privaris/ 記事によりますと、たとえばPrivarisの特許のひとつは、タッチスクリーンと指紋リーダーとを同時に使える技術に関連するものとのことです。 探してみますと、米国特許7,688,314がありました。特許請求の範囲は、タッチスクリーンと指紋リーダーとを同時に使える内容です。以下はその米国特許の図4です。 次世代のiPhoneに使われる技術か否かわかりませんが、確かにセキュリティ対策には有効な特許になりそうですね。 CNNの記事のタイトルは、Is Apple looking to buy this innovative company?(アップルは革新的な企業の買収先を探しているか?)です。 お金持ちのAppleであれば、31件の特許のうち26件の特許を取得するのであれば、会社丸ごと買収してもよかったのにと思います。

介護分野の中小企業の特許活用

6月29日の日本経済新聞朝刊に、介護用具の分野で中小企業同士の特許紛争が取り上げられています。車椅子が段差のある所を通る時に渡すスロープに関する特許を持つケアメディックス株式会社が香川県のS社を訴えている内容です。 記事によりますと、介護用品の分野は知的財産の保護の意識が低いようです。 知的財産保護の知識が低いことが事実か否か知りませんが、香川県のS社は、ケアメディックス株式会社の車椅子用のスロープの写真を、自社の広告で使用したと記事に記載されています。 これは明らかな著作権の侵害行為に該当しますから、少なくとも香川県のS社は知的財産の保護の意識が低いと言わざるを得ません。 香川県のS社は、ケアメディックス株式会社は特許無効だと主張しているようです。 特許庁のデータベースを検索してみますと、ケアメディックス株式会社の特許第5549894号の特許(下記はその図1)を有しています。そして香川県のS社が特許無効審判を請求し、現在ケアメディックス株式会社が答弁書を出したところです。 この件が契機に、介護用品の分野でも知的財産の意識が高くなるのではないでしょうか?

LEDの蛍光体の特許切れ

特許切れ(特許の存続期間満了)を待って製品を出す分野は、ジェネリック医薬品だけだと勝手に思い込んでいました。 日経テクノロジーオンラインの記事“LED向け蛍光体、主要特許の期間切れで企業競争に激しさ”を読んで、電子部品の分野でも、特許切れで多くの企業が参入してくると初めて知りました。 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20150622/424382/?ST=components 一般に、電子部品や電気製品は、何十もの特許を利用して製品を作っているので、競合会社同士でクロスライセンス等をして製品を作り上げています。 一方、LEDの蛍光体は、特殊な市場で、少数の企業が各社各様の蛍光体を独占しているとのことです。このため、技術と知財とを保有する企業は少ししか存在しないとのことです。 記事では、蛍光体に置き換わる技術として、“量子ドット”という技術も紹介しています。量子ドットとは、数n~数十nmの大きさを持つ化合物半導体や酸化物半導体の微粒子です。 この量子ドットがLEDディスプレーの色再現性の向上や低消費電力化が実現可能にするそうです。 特許切れで、蛍光体が低価格になりLED自体もさらに安価になるとともに、量子ドットの技術で、さらに優れたLEDディスプレーを独占する企業が登場するのですね。

地域の中小企業知的財産支援力強化事業

特許庁は、27年度から新たに「地域中小企業知的財産支援力強化事業」を開始しました。この事業で採択された13件の提案のうち、多くが大学又は公的機関であり、民間企業が1件だけありました。 http://www.meti.go.jp/press/2015/06/20150622002/20150622002.html 株式会社ノーズフーという会社です。この会社が、大企業の開放特許を利用した大学生の商品アイデアを活用して、中小企業の製品開発を促進するシステム”さいたまモデル”事業の全国への普及を図るようです。 私のブログでも、“さいたまモデル”の事業を数回取り上げました。 6月23日のサンケイBizの記事でも、“さいたまモデル”の事業が取り上げられていました。この記事では、理系学生のアイデアよりも文系大学生のアイデアが良いことが記載されていました。意外だなと思う反面、確かにそうだと頷く点も多々ありました。 http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/150623/cpd1506230500001-n1.htm さて、大企業の開放特許を利用した大学生の商品アイデアを活用し、中小企業の製品開発を促進することは大変良いことだと思います。必ずしも大学生に限る必要もないと思いますが、外部のアイデアを活用する仕組みは、新たなイノベーションを生む予感がします。 “さいたまモデル”が全国に広がれば、地域の中小企業の活躍の場が広がるでしょう。

自動運転技術の共同開発

今朝のNHKのニュースによると、自動車の自動運転に向けて、トヨタ自動車や日産自動車など自動車メーカー6社と部品メーカーは自動運転の実用化のため、共同技術開発を行うそうです。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150624/k10010125431000.html 自動運転といっても、グーグルなどが目指すドライバーの操作不要の完全自動運転を意味するのか、ドライバーの操作を必要とする高度運転支援技術を意味するのか、その意味合いはニュースでは分かりませんでした。 ニュースによりますと、参加メーカーが、まず共同開発する分野と競争する分野を検討会で仕分けるそうです。うまく仕分けることが良いですが、仕分けることができても共同開発するとなるというと、特許などの知的財産の取扱も難しいです。 一方、日本企業だけで日本標準の技術を開発しても、自動車は世界標準にならないと、普及しません。参加メーカーが日本企業だけでよいのでしょうか?