月別アーカイブ: 2015年5月

新・産業革命?“モノのインターネット”の行方

5月28日のクローズアップ・現代で、「新・産業革命?“モノのインターネット”の行方」が放映されました。“モノのインターネット”は、一般にIoT (Internet of Things)と呼ばれています。クローズアップ・現代では、小松製作所やGE(General Electric)が取り上げられていました。 私は、GE Energyの本社(Atlanta)で、世界から集められる発電所のタービンエンジンの稼働状況をチェックする部屋(いわゆるショールームのように外から見学できる)を見たことがあります。その時はIoT という言葉もありませんでしたが、稼働データを集めその稼働効率を上げるアフターサービスを目にしました。 さて、現地時間5月28日、Googleは、IoT プラットフォームProject Brilloを発表しました。“Brillo(ブリロ)”は、家庭にあるスプーン・フォーク、白物家電(エアコン、冷蔵庫)から自動車までをインターネットでつなぐことになるでしょう。 クローズアップ・現代では取り上げられませんでしたが、パナソニックは3月23日に、IoT 分野の特許約50件を無償公開しました。詳細は3月25日のブログをご確認ください。 IoT プラットフォームが生活に必要になっていくことでしょうし、どの会社又はグループがIoT プラットフォームの覇者になるかも重要でしょう。IoT プラットフォームとともに、それを支える特許も必要になっていくでしょう。 クローズアップ・現代のタイトルどおり、IoTは、“新・産業革命”になるかもしれません。

イノベーションの勢いに陰り 主犯は日本

ウォール・ストリート・ジャーナルの5月27日の記事に、タイトルが“イノベーションの勢いに陰り 主犯は日本”がありました。“主犯が日本”はすごいタイトルの付け方だなと感心しましたが、原文記事では“Innovation Shows Signs of Slowing”とだけあり、“主犯が日本”のタイトルはありません。読者を引き付けるための翻訳者の才能の一端を拝見しました。 http://jp.wsj.com/articles/SB11729237550577364065404581011160731007434 さて記事の内容を見てみますと、世界の特許認定件数の増加率は2009年のリセッション以来、最低水準となっているそうです。 2014年は半導体テクノロジーでの発明件数が5%減少し、医療機器に関する発明は6%減、航空・防衛関連の特許件数は1%減少したそうです。なぜか私の得意な技術分野ばかりです。 一方、発明件数の増加ペースが速い分野は、食品やたばこ、発酵飲料で、21%増加しているそうです。これらの技術分野は私は不得意です。 “主犯が日本”に関連する記事内容は、日本企業が手当たりしだいに膨大な数の特許を維持するのはコストがかかりすぎると感じて、特許出願件数や維持している特許を減らしていると想定しています。 その想定は私も当たっているように思います。しかしながら、再び日本企業が世界のイノベーションを牽引してほしいです。

CISCO間接侵害判決に関して、最高裁がCAFCに差し戻し

ロイターの現地時間5月26日のニュースによりますと、Commil USA, LLC,(以下、コミル)がCisco Systems, Inc.(以下、シスコシステムズ)を訴えた事件で、最高裁は、CAFC(連邦巡回区控訴裁判所)のシスコシステムズの勝訴判決を、差し戻しました。 http://www.reuters.com/article/2015/05/26/usa-court-ip-idUSL1N0YH1R820150526 この最高裁事件は間接侵害を争っており、2014年12月8日の私のブログでもこの事件を説明しています。 米国特許法第271条(b)項の規定(induced infringement:誘導侵害)は、Akamai判決により、1) 被疑侵害者が特許権者の所有する特許の存在を知っていたこと 2) 被疑侵害者がクレーム発明の一部を実施するように教唆したこと 3) それら一部が実際に実施されたこと の3つの要件を特許権者が立証できれば、induced infringementになるとされています。 CAFCでは、シスコシステムズは、特許が無効であるという被告(シスコシステムズ)の確信が、特許法第271条(b)に定めるinduced infringementの抗弁になると判断しました。しかし、今回の最高裁判決では、6対2でその抗弁を認めませんでした。

地震の予知・予測の特許

関東地方では5月25日に埼玉北部を震源とした大きな地震がありました。 私のスマートフォンに緊急地震速報が届きましたが、地震を感じた後でした。地震予知・予測の難しさはニュース等を通じて知っています。 でも、地震予知・予測の特許がないかを発明の名称等で調べてみました。すると特許が10数件ありました。 例えば、特許第3763130号の発明は、地表上の複数の点のうち三点の位置に関する同一観測時の衛星観測データにより算出したそれぞれの面積を求め、地震・噴火予知しています。 また、特許第3755131号の発明は、複数地点で観測される地震波形に基づき震源位置、地震の大きさ、地震の発生時刻を求め、震源位置に基づき特定地の震央距離、地震の大きさに基づき有感半径を求める解析して、予測強度と到達予測時刻を報知しています。 特許になっているのですから、特許法36条に規定する実施可能要件を備えていると審査官は判断しており、これらの特許発明は机上では実施可能であると思われます。 その予知・予測の精度の問題や予算の関係もあって、国民が満足するまでの地震予知・予測にはなっていないのでしょう。 大きな地震を感じるたびに、地震予知・予測が早く実現可能になればと思います。

スズキ機工の潤滑スプレー「ベルハンマー」

5月24日のTBSの「がっちりマンデー!!」を見ていましたら、スズキ機工の潤滑スプレー「ベルハンマー」が取り上げられていました。 回転する金属板に難人乗れるか実験を行ったところ、潤滑剤なしでは一人が乗ると回転せず、普通のオイルの潤滑スプレーで潤滑させても、一人で45度も回転しませんでした。 ところが、「ベルハンマー」をスプレーすると、6人乗っても回転していました。 「がっちりマンデー!!」では、6人乗っても回転する理由を説明していましたが、潤滑剤で金属板の細かな凹凸の摩擦面が平らになる(凹凸が取れる)という理由でした。 なんとなくその理由では素直に納得できないため、スズキ機工の特許を探してみました。 スズキ機工は、装置の発明を4件の特許出願していましたが、潤滑スプレーの特許公開公報はありませんでした。 潤滑剤の材料等はノウハウとして秘密にしておき、特許出願していない戦略かもしれません。 一方、潤滑スプレー又は潤滑材の登録商標(第5600925号)はありました。 多分、「がっちりマンデー!!」の放送以来、潤滑スプレー又は潤滑剤の注文が殺到しているのではないかと思いますが、スズキ機工は小さい会社ながら、他社の模倣品対策もしっかりしているようです。