月別アーカイブ: 2015年2月

体重ではなく、気が重くなる判決

タニタにとっては、体重ではなく気が重くなる判決が出たようです。オムロンヘルスケアがタニタに体重計の意匠権侵害に関する訴訟で、東京地裁は2月26日、タニタに約1億2900万円の支払いを命じたそうです。 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG26H5S_W5A220C1CR8000/ 裁判所の判決速報などを検索しましたが本日時点では掲載されていませんでした。このため意匠権番号は間違っているかもしれませんが、オムロンヘルスケアは意匠登録第1425945号を使ってタニタを訴えたのではないかと推測します。下記がその意匠権の正面図です。 記事によりますと、オムロンヘルスケアの商品は「カラダスキャン HBF‐212」(右)であり、タニタの商品は「フィットスキャン FS‐100」(左)とのことです。下記写真はオムロンヘルスケアとAmazon(タニタHPには掲載されていない)とから引用しました。 特許庁の審査等及び裁判所において、意匠の類否判断は、意匠全体を観察することを大原則として、以下の手順や留意点に基づいて行われています。 (1) 両意匠の物品が同一または類似であることを確認する。 (2) 両意匠の基本的構成態様(意匠を大つかみに把握した態様)、具体的構成態様(意匠を詳しく観察した態様)を認定する。 (3) 基本的構成態様、具体的構成態様における共通点を認定する。 (4) 基本的構成態様、具体的構成態様における差異点を認定する。 他の判断項目もありますが、皆さんは似ていると思いますか?

ミャンマーの知財保護、日本が一括支援

日本経済新聞の2月26日の電子版に、ミャンマー知的財産庁の創設についての記事がありました。 3月から特許庁の職員をミャンマーに派遣し、ミャンマー科学技術省などと「知的財産法」の条文づくりや新法を順守する体制を詰めていくそうです。 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS25H2C_V20C15A2PP8000/ 私は、発明推進協会アジア太平洋工業所有権センター(APIC)でお手伝いさせていただいてる関係から、関係者から何度もミャンマーの知的財産に関する現状等を聞いております。 特許庁の職員派遣は、たぶん2013年から話があり、そのころから定期的に交流があると思います。ミャンマー科学技術省知的財産課首席であるMoe Moe Thwe(モー・モー・トエ)さんも、2013年から2014年にかけて、約半年APICや特許庁で日本の知的財産制度等を研究されていました。 私も2014年初旬に、日本に招かれていた、ミャンマー科学技術省知的財産課の方を含む東南アジア各国の裁判官・審査官等に対して、日本の特許制度を講義しました。 知的財産法が今年中にミャンマーの国会を通過し、ミャンマー知的財産庁が再来年ぐらいにできればMoe Moe Thweさんが、初代知的財産庁になるのでしょう。 法律ができただけでは知的財産の実務は運用できません。審査官の教育などが課題が山積です。来年には日本の多くの特許庁職員がサポートに動員されることになるでしょう。

ネスプレッソマシン特許がドイツ特許裁判所で無効

2013年10月15日のブログで、使用済みカプセルをエスプレッソマシンから取り出す仕組みのネスプレッソ特許が無効になったことをコメントしました。 現地時間2015年2月25日のロイターの記事によりますと、ドイツ特許裁判所が、正常な動作を妨げるカプセルに関するネスプレッソ特許を無効にしたそうです。 http://www.reuters.com/article/2015/02/24/nestle-nespresso-patent-idUSL1N0VY27L20150224 特許番号や事件番号がロイターの記事にないことから、特許の具体的な内容はわかりません。2013年のブログでは欧州特許庁が特許をネスプレッソ無効にしたことを取り上げました。このときは、使用済みカプセルをエスプレッソマシンから取り出す仕組みの特許でした。 ネスレのコメントを読みますと、今回、ドイツ特許裁判所が無効にしたネスプレッソ特許も欧州特許庁の特許と同じようです。 記事によりますと、ネスレ以外が販売する互換カプセルはネスレのカプセルの半分以下の値段で、現在市場の20パーセントぐらいを占めているようです。今回ネスプレッソ特許が無効になることで、今後10パーセントぐらい互換カプセルが市場を増やす可能性を示しています。 またネスレは、昨年9月に、フランスでは反トラスト法当局からの圧力に屈して、ライバルがネスプレッソマシンで互換カプセルが利用できるようにすることで合意しているようです。 特許権は、各国独立であるため同じ内容の特許が日本にあったとしてもその特許が無効になるかわかりません。でも、ドイツ特許裁判所の判断は、日本で互換カプセルを販売する側を後押ししますね。 また記事は、コーヒー自体の市場規模は広がっており、カプセルタイプの市場はさらに広がるとコメントしています。 日本でもカプセルタイプの市場が広がり、互換カプセルの市場も広がると思います。

キューバ企業が米国で争う権利があるか

ロイターの現地時間2月23日の記事によりますと、キューバ国営たばこ会社と米国たばこ会社とが、商標“Cohiba”(コイーバ)で争っており、米国最高裁が、上告を棄却し、キューバたばこ会社に商標に関して争う権利を認めたCAFC(連邦巡回区控訴裁判所)の判断を維持したそうです。 http://www.reuters.com/article/2015/02/23/usa-court-cuba-idUSL1N0VX12H20150223 有名な葉巻の名称“Cohiba”(コイーバ)は、キューバたばこ会社と米国たばこ会社とが共に使用していました。アメリカではキューバ製品が禁輸品であるために、キューバたばこ会社は米国でタバコ・葉巻を売ることができませんが、米国を除く全世界で売っています。 しかし、“Cohiba”(コイーバ)は、キューバのハバナ州で生産されている葉巻の有名ブランドです。 ちなみに、米国たばこ会社はドミニカ共和国で作られた葉巻を“Cohiba”として販売しているようです。 2014年12月に、オバマ米大統領がキューバとの国交正常化交渉に入ることを発表しましたので、今後、キューバたばこ会社の葉巻“Cohiba”が米国内に輸入されるでしょう。

iCarが登場するのか

ブルームバーグの現地時間2月19日の記事によりますと、Apple(アップル)が、電気自動車製造を2020年までに開始するかもしれないと報道しています。  http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-02-19/apple-said-to-be-targeting-car-production-as-soon-as-2020?hootPostID=9f3917f4905f086a568d81c5d794101a その根拠として、電気自動車(EV)向けのリチウムイオンバッテリー製造メーカーとして知られるA123 Systemsからエンジニア5名をアップルが強引に引き抜いたことを挙げています。 Appleが出願人で“Car”又は“vehicle”の文字を含む米国特許を調べてみましたが、私は自動車に関する特許等を見付けることができませんでした。このようなキーワードでヒットした特許又は公開公報は、Appleのアプリ“CarPlay”に関連するものでした。 ロイターの現地時間2月20日の記事によりますと、Apple(アップル)が、バッテリーの特許出願を8件申請していると報道しています。また、Tesla Motors(テスラモーターズ)からもエンジニアをアップルが引き抜いていると報道しています。 http://www.reuters.com/article/2015/02/20/us-apple-autos-battery-idUSKBN0LO25N20150220 バッテリーの性能を上げて走行距離を伸ばすとともに充電時間を短くすることができ、さらにバッテリーの値段が下がれば、電気自動車(EV)は広く普及するでしょう。 ロイターの記事によりますと、Apple、 Google、 Samsung、Tesla Motors及びUber の自動車関連の特許出願が、2011年と比べて2014年に3倍になっているそうです。 ブルームバーグの記事のタイトルのように、Appleは、2020年までに電気自動車を登場させるかもしれません。電気自動車の名称は、iCarになるでしょうか。