月別アーカイブ: 2014年6月

休眠特許の活用

29日の日本経済新聞によりますと、経済産業省は、「知的財産推進計画2014」に休眠特許の活用を進める対策を載せるそうです。 国が、国の委託研究で得た特許を企業が利用していない場合、希望する別の企業にライセンスを与えるよう要請したり、民間企業が独自に取得した特許で未利用のものは、中小企業に有償または無償で開放するよう促すようにするそうです。 具体的な指針が今後出てくると思いますが、製造ノウハウ等がないと特許だけでライセンスを受けても製品はできないと思います。 これまで、国の委託研究で得た特許が利用されていない場合の活用については、議論がなかったと思います。 一方、休眠特許を検索できるデータベースの構築するようですが、現在でも、下記URLにあるように、「開放特許情報データベース」というデータベースがあります。 http://plidb.inpit.go.jp/PDDB/Service/PDDBService このデータベースをより使いやすくしていくのか否か分かりませんが、特許権者からアドバイスを与える仕組みを入れ込まないと、中小企業はその特許を活用できないように思います。

米国における特許表記

米国での特許表記についてクライアントから質問されました。まだPCT出願したばかりであるが、米国に商品(物品)を販売するので、どのようにPCTの出願番号を表記したらよいかという質問でした。 米国特許法287条では、合衆国において特許物品を販売等する者は、その物品又は包装に「patent」という文字若しくはその略語「pat.」を特許番号と共に付することによって物品が特許を受けたものであることを公衆に通知をすることができる、旨が規定されています。 一方で、米国特許法292条では、虚偽表示を規定しており、虚偽表示をしたものに対して合衆国政府が罰金の支払いを課したり又は虚偽表示で競争を阻害された者のみが損害賠償できるようになっています。 この292条は、2011年9月16日から施行されています。それまでは何人も虚偽表示を行った製品毎に$500以下の罰金が科すように、訴えることができたため、産業界は、必要以上に特許表記に負担を強いられてきていました。  さて、クライアントに質問に戻りますが、米国特許法には特許出願中の物品に対してどのように記載しなければならないという規定はありません。これは日本特許法も同じです。日本でも”特許出願中”と書いてある商品を目にしますが、特許法には何の規定もありません。 でも、”特許出願中”と記載すると商品(物品)の売り上げが、記載ない場合よりも良いため、多くのクライアントは”特許出願中”記載したいとおっしゃっています。 今回は、PCT出願したばかりでまだ米国に国内移行もしていない状態ですので、クライアントには、もうしばらくて米国に国内移行したら”米国特許出願中”と記載しましょうとアドバイスしました。 米国特許法には規定がないので、このアドバイスが正しいかわかりません。この事例に関する判例などをご存知でしたら教えていただきたいです。

TV電波放送の著作権(2)

5月2日のブログで、米国最高裁が米国三大ネットワークとAereoとの著作権侵害の審理を取り上げました。 ロイターの記事によりますと、現地時間6月25日に、米国最高裁がAereo敗訴の判断を、6:3で下しました。 http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPKBN0F02X220140625 Aereoのサービスが、各ユーザーに小さなリモートアンテナをレンタルして、各ユーザーはそのリモートアンテナで受信したTV放送をネットを介してスマートフォンやTV等で見ることができます。このため、最高裁は各ユーザーの私的使用に該当すると、判断するのではないかと考えておりました。 記事によりますと、「著作権法に基づいて番組の転送が制限されているケーブルテレビ各社と(Aereoのシステムは)かなりの類似点」があると判断したようです。 この記事だけでは、詳細が分かりませんので、より詳細な論評等を読んでみたいです。 結論的には、日本の最高裁が知財高裁に差し戻した、まねきTVと同じ結果になりそうです。Aereoはしばらくすると廃業せざるを得なくなるのでしょう。

会社の志

SANKEI_BIZの6月21日の”生かせ!知財ビジネス”を興味もって読みました。 http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/140621/cpd1406210500002-n2.htm 産業廃棄物の分野(失礼ながら多分、知的財産権が多くない分野と思います)で、且つ役員社員が11名の会社でありながら、国内だけで特許権40件、商標権75件及び実用新案権22件を保有するとのこと。その会社の志に恐れ入りました。 その会社は、株式会社フジコーポレーションです。下記URLがホームページです。 http://www.fuji-corp.co.jp/index.html ホームページの端から端までチェックしたわけではありませんが、このフジコーポレーションは、特に知的資産経営を目指しているとか、特許がどうだこうだと宣伝しているわけではないようです。 放射性物質を含んだ廃棄物や廃土の処分は、一筋縄では行かない課題が多いと思いますが、このような問題にも真摯に取り組んでいるようです。 中小企業は、知的財産云々かんぬんの前に、高い意識を持って業務に臨んでいるだろうかが重要であるということを、実証している会社だなと感じました。

特許を保有する中小企業の営業利益は、持たない企業の3倍以上

日本経済新聞の1面コラムで、上・中・下の三回に分けて”攻防・知的財産”が掲載されていました。 本日は第三回目(下)で、特に中小企業(3社)の知的財産への取り組みが取り上げられました。1社目は、株式会社ナベルという、鶏卵の選別・包装機械を手掛る会社です。初めて耳にした会社です。 でも、株式会社ナベルは、これまで4件の特許訴訟を経験しているそうで、特許の使い方に長けているようです。株式会社ナベルのホームページを見ますと、技術紹介で、特許発明の紹介や注目発明賞等を受賞したことなどが書かれています。 特許行政年次報告書2014年版の54ページ(下記URL)には、”特許を保有している中小企業は、保有していない企業に比べて、従業員一人当たり営業利益が3倍以上も高い”ことがデータを使って示されています。 http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/nenji/nenpou2014/honpen/1-2.pdf 日本経済新聞には、「経営者が積極的な特許戦略に乗り出せば、企業は一回りも二回りも大きくなれる。」と記載されていますが、私も本当に、中小企業の経営者と特許戦略を考えて行きたいと思います。 また、記事に載っていた3社目は、アッシュコンセプト株式会社です。私の6月10日のブログで取り上げた会社です。今晩は雨ですが、またアッシュコンセプト株式会社の傘立て”スプラッシュ”が自宅で活躍します。