月別アーカイブ: 2014年5月

ベトナムで模倣品急増

SankeiBizの5月30日の記事ニュースによりますと、ベトナムでは、2013年に模倣品の生産・販売行為で約1万4000件が摘発され、罰金総額が620億ドン(約3億円)あったそうです。2010年の摘発件数及び罰金総額の約1.5倍になっています。模倣品の大半は、商標権侵害又は著作権侵害に関するものと想像します。 http://www.networkworld.com/news/2014/052814-juniper-palo-alto-281994.html さて、2013年に、JICA(国際協力機構)から依頼を受けて、ベトナムの特許庁審査官(特許、商標)、及び税関職員等15人に対して講義をしました。 私は、日本の特許制度及び特許権侵害に関する制度を説明しました。ベトナムの審査官も、多くの場合、日本と同様な権利解釈をされていました。また、日本の制度についても大変勉強熱心でした。 このようなベトナム審査官及び税関職員等が、知恵を絞り努力して、ベトナムにおける模倣品対策を実行していただきたいと思います。

ネットワーク会社間の特許のファイヤーウォールが低くなる

ジュニパーネットワークス(Juniper Networks)とパロアルトネットワークス(Palo Alto Networks)とが、特許の交互の訴訟を取り下げ和解に至ったとのニュースを見つけました。 http://www.networkworld.com/news/2014/052814-juniper-palo-alto-281994.html パロアルトネットワークスが総額175Mドルを支払うことで、双方は、デラウェア州とカリフォルニア州内のすべての特許訴訟を取り下げることと、クロスライセンスに合意したとのことです。また両社は、今後8年間互いに対して訴訟をしないこと決めたとのことです。この和解で、両社の知的財産のファイヤーウォールが低くなりました。 記事にはありませんが、どんな特許で争っていたか調べました。ジュニパーネットワークスの米国特許7,779,459、特許7,650,634及び特許7,302,700が含まれています。これら特許以外にも別の特許があるかもしれません。 HUBとかスイッチとか詳しくないのですが、これらの特許はレイヤー2スイッチの発明です。MACアドレスを使ってデータを送信する発明のようです。

3Dプリンターでの危険物製造を抑えるセキュリティプログラム

大日本印刷株式会社が、銃器などの危険物製造やキャラクター製品を3Dプリンターを操作しようとした時に、違法性や著作権侵害の恐れがある場合には、製造できなくするセキュリティプログラムを開発したそうです。 http://www.dnp.co.jp/news/10099366_2482.html 3Dプリンターに入力されたSTLデータのポリゴンを独自のアルゴリズムで簡素化し、ブラックリスト対象製品のSTLデータのポリゴンと高速で照合できるようにしたようです。詳細はわかりませんが、STLデータの特徴点をマッピングして、データを少なくし、そのデータを、ブラックリスト対象製品のSTLデータに当てはめて、その類似性をチェックしているのではないでしょうか。 カラー複写機(複合機)が高性能化していく過程で、紙幣をコピーする人が出てきました。そのため、最近のデジタル複写機は、紙幣を認識して紙幣の複写自体が不可能になっています。 この偽造防止技術は、ユーリオンと言って、オムロンが基本特許を有しています。特許発明自体は概念だけであり、実際の紙幣への応用は極秘事項です。 大日本印刷株式会社のプレスリリースには、この技術が特許出願されているとは書いてありませんが、基本概念は特許出願されているのではないでしょうか。

スマートウォッチ

スマートフォンの次にくるものは何でしょう。スマートウォッチ(SmartWatch)かスマートグラス(SmartGlass)を身につける時代が数年後になるのでしょうか。 さて、サムスン電子のスマートウォッチの米国公開公報2014/0139454を見つけました。図面に描かれるスマートウォッチは、現在販売中のサムスン電子のスマートウォッチの「Gear 2」とは、外観がかなり異なります。この公開公報のスマートウォッチは、次世代かもしれません。 この公報は、172ページもあるので、図面をざっと見て且つ特許請求の範囲をざっと見ただけです。 スマートウォッチの時計盤の大きさのタッチパネルで操作することは大変困難になります。実際には、音声認識又は腕又は指のジェスチャーによって入力する必要があると思います。米国公開公報2014/0139454は腕や指のジェスチャーをスマートウォッチセンサで認識して、スマートウォッチの特定の機能を選択していく発明です。参考までに関連する図を以下に載せます。 なお、2013年8月30日のブログで、アップルの米国特許8,159,455を紹介しました。特許明細書の実施例はパソコンですが、ジェスチャーで機能を選択している発明です。 数年後、スマートウォッチのジェスチャー特許で、アップルとサムスンとの特許戦争が起こるかもしれません。

知財取引価格に新ルール

日本経済新聞の電子版の5月26日の記事に、”知財取引価格に新ルール 日米欧、国境またぐ節税に網”というタイトルの記事がありました。 http://www.nikkei.com/article/DGXNZO71772490W4A520C1NN1000/ 2013年7月から9月のブログで、移転価格税制及びパテントボックス制度について取り上げました。企業にとっては知的財産の税金は悩ましいところです。 さて、A国からB国に知的財産を移動する際には、A国に税金を支払わなければなりません。特に海外子会社と本国の親会社との関係では、同じグループ内で知的資産を移転させるだけですから、税金を安くするために知的財産権の価値を下げる方向に動きます。知的財産権は、取引が少ない無形資産の価値であるため、標準価格という概念がありません。計算のしかたで、金額が大きく変わります。 上記記事では、経済協力開発機構(OECD)が「知財の取引価格を決める際の国際ルールを定める」そうです。 特許権又は商標権などの無形資産の価値は、実際の使用状況によって、簡単に算定することが困難と思いますが、無形資産の価値の算定指針は、グローバル化が進む企業に取っては、助かる指針になると思います。