月別アーカイブ: 2013年12月

特許法条約(Patent Law Treaty、PLT)

日本は特許法条約に加盟していませんが、米国はオバマ大統領が昨年12月18日に署名したため、2013年12月18日から、特許法条約実施法(Patent Law Treaties Implementation Act of 2012 (PLTIA))が施行されています。 日本の多くの企業によって有意義なことは、出願人が、特許出願における優先期日に間に合わなかった場合、1,700ドルの手数料を納付の上、2ヶ月の猶予期間を認めています。つまり優先期間が実質14ヶ月になります。 ”故意にではなく、”特許出願における優先期日に間に合わなかった場合と規定されているので、故意とは具体的にはと聞きたくなりますが、うっかり優先期限を1か月徒過してしまったミスも、1,700ドルの手数料で、回復できることになると思われます。 その他、特許出願に、請求の範囲がなくても、特許出願日を認める等の細かな改正も施行されています。 優先期限に間に合わないような手続ミスは、絶対してはいけないのですが、2ヶ月の猶予期間があることを知っていると、気持ちに余裕が出てしまいます。

アイコン等の意匠登録に向けて(2)

2013年11月28日のブログでも取り上げましたが、日本では、コンピュータやスパートフォンのプログラム(アプリ)等のアイコン(画面デザイン)は保護されません。一方、欧米、韓国では、アイコンは保護対象です。このため、産業構造審議会の意匠制度小委員会が法改正を審議しています。 産業構造審議会の意匠制度小委員会の第2回資料が12月25日にアップロードされ、閲覧できます。 http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/toushin/shingikai/isyou_seido_menu.htm 第2回の配布資料を読みますと、アイコンが保護対象になることは確実のようですが、権利の実効性(アプリのアイコンを表示するプログラムを配布する行為も侵害として取り締まるか)、アイコンの審査方法、エンドユーザへの対応(エンドユーザーがアイコンを使用すると、法的に意匠権の侵害者となる)等の問題がありまだまだ検討すべき事項を指摘しています。欧米からのアイコン等の意匠登録出願の依頼で、日本では権利化できないと現地代理人などに報告してきたので、アイコンが意匠登録の対象になることは個人的に嬉しいです。しかし、権利の実効性等を考えると、大変な問題がまだまだあると認識した次第です。

Rockstar Consortium (ロックスター コンソーシアム)

 Apple, Microsoft, BlackBerry, Sony, 及びEricssonの会社名は、誰もが知っていると思いますが、Rockstar Consortium(ロックスター コンソーシアム)を知っている人はあまり多くないと思います。Rockstar Consortiumは、破産したカナダの通信機器メーカーNortelが保有する約6000件の特許と特許出願の所有権を取得するために、Apple主導で上記に挙げた会社で結成された企業コンソーシアムです。Nortelの特許群をgoogleと競り合って45億ドルで落札しています。 Rockstar Consortiumがどんな会社であるかは、以下のURLに詳しく書いてありますが、いわゆるパテントトロールのような企業です。 http://wired.jp/2012/05/24/rockstar/ http://wired.jp/?&utm_source=donotdirectlink http://wired.jp/2012/05/26/rockstar3/ Rockstar Consortiumはgoogle等に対して特許侵害訴訟をしていますが、結論が未だ出ておらず、逆に以下の記事によるとgoogleから反訴されているようです。(日本時間12月25日記事) http://www.theverge.com/2013/12/24/5242792/google-fires-back-against-apple-and-microsoft-led-patent-consortium また、別の記事(日本時間12月24日)によると、Rockstar Consortiumは、利益を上げることが思うように行かないので一部特許の売却を進めているとの記事もあります。 http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MYALM26K50Y801.html これだけの情報では、Rockstar Consortiumがどの方向に向かって利益を確保していくかわかりませんが、そもそもNortelの特許群を45億ドルで購入した事自体が高い買い物になってしまっているように思えます。Rockstar Consortiumに関する記事を今後もウォッチしていきたいと思います。

日清食品 VS サンヨー食品

11月4日にインスタント麺の特許出願動向について述べました。今回、日清食品とサンヨー食品とのストレート即席生麺の特許訴訟の記事が東洋経済ONLINEに出ていましたので取り上げます。 http://toyokeizai.net/articles/-/27008 特許訴訟の争点は、プロダクト・バイ・プロセス特許です。プロダクト・バイ・プロセス特許とは、物の製造方法によってその物が特定された特許のことです。日清食品の特許4381470の請求項1は、生麺をコンベアでどのように製造するかを特定しています。 特許審査基準では、「製造方法によって生産物を特定しようとする記載がある場合(プロダクト・バイ・プロセス・クレーム) 請求項中に製造方法によって生産物を特定しようとする記載がある場合には、…中略…その記載は最終的に得られた生産物自体を意味しているものと解する。」と記載されています。このため、特許審査では、最終的に得られた生産物(ストレート即席生麺)が、従来のストレート生麺と同じであれば、新規性無しとして特許になりません。 一方、裁判は、製造方法が違っていても侵害と判断するケースと製造方法が違えば非侵害と判断するケースとがあります。今回の日清食品とサンヨー食品とでは裁判所はどのように判断するでしょうか? 特許4381470が特許査定となった理由(特許メモ)を見ますと、以下の記載があります。 「ストレート麺の即席麺を提供することは、参考文献に挙げた特開2000-189089号公報に記載されているように、公知の課題である。しかしながら、該課題を解決するために、本願発明のように繰り返し輪を描くように屈曲した生麺を製造し、かつ、隣り合う麺線と麺線との描く軌道が同調しないように複数の麺線を配置せしめることは、いずれの参考文献にも記載されていない。また、示唆されてもいない。」 審査官は、特許になった理由を、製造方法が違っているからと述べているので、製造方法に重きが置かれて判断されるのではと、個人的に感じています。

新興市場上場企業【サービス】業界 特許資産規模

特許分析する株式会社パテント・リザルトの調査結果の記事がありました。個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を算出し、企業ごとに総合を評価した結果、新興市場 サービス業界では、株式会社アスカネットが第1位だそうです。 http://www.dreamnews.jp/press/0000085681/ その中でも注目を集めているのが、光学結像方法の特許のようです。調べてみますと特許第4865088号などの一連の特許が注目を浴びているようです。特許4865088号は、PCT出願番号 2010-509189の案件ですが、日本では4つの分割特許出願があります(原出願も含め5つの発明)。 特殊な偏光メガネ又は時分割式(シャッタ)のメガネを使って、空中に浮かぶ立体像を視ることができます。そのようなメガネを使わずに立体像を視ることができる発明です。株式会社アスカネットのホームページを見ますと、”エアリアルイメージングサービス”という名称でビジネス展開しているようです。 この特許を使った実際の立体像を見たことはありませんが、展示会等で見てみたい気持ちになりました。