月別アーカイブ: 2013年8月

ジェスチャーで入力

8月28日の日本経済新聞電子版に、”PC操作にも変革を アップルの新ジェスチャー特許”の記事がありました。(登録しないと、記事を最後まで読むことはできません。) http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2303I_T20C13A8000000/ そのUS特許 8,159,455の特許を調べてみました。独立クレイム(請求項)が複数ありましたが、特にジェスチャーによって入力する発明は、クレイム7でした。 クレイム7の抜粋 “determining, based on an output of the one or more sensors, if a gesture of a plurality of predetermined gestures has been performed, each predetermined gesture comprising a ordered set of conditions on one or more … 続きを読む

特許(知的財産)ファンド(1)

特許ファンドというと、中小企業や個人から特許を購入し、その特許で訴訟を繰り返すパテントトロールの固定概念を持っていました。しかし、インテレクチュアルベンチャーズ(IV)の発明育成ファンド(IDF)の記事を読んで、考えが変わりました。 http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/130826/cpd1308260501002-n1.htm 調べてみますと、特許ファンドは以下の4つに分類されるようです。 1:特許訴訟型ファンドは、パテントトロールなどと呼ばれることもあるようですが、特許訴訟などで資金を得るタイプです。 2:特許訴訟防衛型ファンドは、特許を買い取る保険的な役目をしています。パテントトロールに対して、特許を買い取ることにより電機メーカーやIT企業が訴訟を回避するというタイプです。 3:特許ポートフォリオ型ファンドは、友好的な攻撃型ファンドのようです。当初より特許訴訟による資金回収を目的とはしておらず、友好的なライセンスや売却による回収を前提としているタイプです。 4:知財インキュベーション型ファンドは、、大学やベンチャー等の特許出願費用に投資を行ない、特許や開発案件の売却及び将来のライセンス収入から資金を回収するタイプです。 発明育成ファンドは4の知財インキュベーション型ファンドですね。でも、資金回収まで時間がかかるため、投資家は好まないと思われます。一方、特許訴訟型ファンドは資金回収がうまく行っているようです。特許ファンドにもいろいろな分類があるものですね。

ファブラボ (Fablab)

ファブラボ(Fablab)の「Fab」は「Fabrication(ものづくり)」と「Fabulous(素晴らしい)」という意味で「lab」は「Laboratory (研究所)」という意味の造語です。日経新聞「春秋」の記事で、はじめてその存在を知りました。 ほしいけれどどこにも売っていないものを、自分の手で作りたい」という考えから、皆で使える工作部屋を、街に設ける活動が始まり、このような工作部屋をファブラボと呼ぶようになったそうです。50カ国で200箇所を超えるそうです。日本でも鎌倉市、つくば市、渋谷等5箇所ににあるそうです。こんな製品があったら良いなという気持ちで、その製品をファブラボで完成させるというものです。 小学生のころは、風力発電を作って電気を作ろうと、木を削ってプロペラを作ろうとしました。竹とんぼの大型版です。でも、のこぎりやカッターナイフでは、大きさと材質の違いから、途中で諦めてしまいました。年をとると、風力発電を作って電気を作ろうという野心も起きません。 でも、モノづくり立国の日本、ファブラボから起業家が育ってほしいものです。

FRAND宣言

8月26日の日本経済新聞に、スマホ特許訴訟が通信規格作りに飛び火、という記事が載っていました。ITU(国際電気通信連合)が国際標準を決めて標準技術の普及を図っています。それがアップルVSサムスンの特許訴訟で暗雲が立ち込めていると記載してあります。 8月7日のブログで、アップル製品の一部がサムスン電子の特許を侵害しているため米国内への輸入を禁止するとのITCの命令に対して、大統領が拒否権を発動したことをコメントしました。その理由は、FRAND(Fair, Reasonable And Non-Discriminatory:公正、合理的、かつ非差別的)な条件でライセンスされる標準技術であるため、ライセンスしなかったサムスンの主張(ITC差止)を拒否したと言われています。東京地裁のアップルVSサムスンの特許訴訟でも、FRAND条件でライセンスしていないため、東京地裁は「サムスンの主張は権利濫用」と判決しました。 ITUは、特許ポリシーの改定を検討中で、その焦点が「FRAND宣言した特許でも、未許諾の相手には裁判で差し止められるか」というものだそうです。アップル陣営とサムスン陣営とで駆け引きの最中とのことです。 しかし、何か論理的におかしな議論をしているなという印象を受けます。FRAND宣言した特許は、そもそも低額で特許ライセンスするのが前提ですから、未許諾の相手は基本的にいないはずです。」 検討すべきことは、「FRAND宣言した特許に対して、ライセンスを申し込んで来なかった相手に対しては、裁判で差し止められるか」という議論をすべきではないでしょうか。アップル陣営とサムスン陣営とのメンツと利益とで標準化が妨げられているとしたら残念です。  

鴻海精密工業が数件の特許をグーグルに売却

台湾の鴻海精密工業(Hon Hai Precision Industry)がディスプレイに関する数件の特許をグーグルに売却する記事がありました。 http://news.mynavi.jp/news/2013/08/24/050/index.html その記事の中で、”アナリストが「売却の狙いについては、Apple依存からの脱却を図る鴻海が、Googleとの関係を深め、同社が手がけるウエアラブルコンピューティング・デバイスの製造契約を獲得するための布石」と指摘している”と記載しています。 なぜ鴻海精密工業が売却したかの本当の意図はわかりませんが、鴻海精密工業の戦略としては考えられる手段と言えると思います。もちろん、同じ戦略であっても、グーグルに特許を売却するのではなく、無償の特許ライセンスとかの手段もあります。 私は、特許を所有している中小企業の経営者から、大手企業と手を組みたいという相談を受けたことがあります。その中小企業の経営者は、「大手企業が、自社特許を侵害している。しかし、損害賠償や差止請求するつもりはない。でもこの特許を使って、その大手企業と技術・販売提携したい。そうすれば、自社の売上も上がるだろう。」とおっしゃっていました。そのお話を聞いたときは、経営戦略がすばらしいなと感心しました。この相談に対して、私は大手企業のサービス製品が特許発明を侵害しているか等を検討し、その経営者と交渉の落とし所を探りました。