月別アーカイブ: 2013年3月

音声アシスタント機能「Siri」は、日本で特許出願されていない?

中国企業が、Appleの音声アシスタント機能「Siri」に対して、中国企業の特許を侵害していると訴訟しているそうです。 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130328/466641/ Appleも当然Siriに関する特許があるだろうと思い、AppleのSiriに関する特許を調べてみました。3月29日時点で未だ特許になっていませんが、米国公開公報がありました。米国特許公開公報は100ページあるため、下記には3ページだけ載せてあります。図12には”Siri”という文字がスマートフォンの画面に描かれています。 米国特許公開公報第2012/0016678号 対応日本公開公報を調べてみましたが、ありませんでした。一方、中国、台湾、韓国、英国、EP、豪州及びメキシコには、特許出願されており対応の公開公報がありました。Appleの特許戦略でしょうが、日本に特許出願されていない点を考えると、日本市場が小さくて魅力がない、又はAppleに対向できる企業が無いと考えているのでしょうか?

「堂島ロール」の店舗が商標権侵害で約5140万円の賠償命令

人気のロールケーキ「堂島ロール」は、旧社名株式会社モンシュシュ(2012年10月1日に、株式会社Mon cher (モンシェール)に社名変更しています。)が店舗名「モンシュシュ:Mon chouchou」で販売していました。フランス語で「私のお気に入り、私の好きな人」という意味だそうです。 ウイスキーボンボンで有名なゴンチャロフ製菓株式会社は、商標第1474596号を有しています。その登録商標は、商標がMONCHOUCHOU\モンシュシュで、指定商品が第30類のパン・菓子です。 ゴンチャロフ製菓株式会社が、株式会社モンシュシュを商標権侵害で訴え、大阪地裁(平成22年(ワ)第4461号)、大阪高裁(平成23年(ネ)第2238号、平成24年(ネ)第293号)でも勝訴しました。平成25年3月7日判決では、その損害賠償額は5,140万円です。 平成23年 第2238号,平成24年 第293号 商標権侵害差止等請求控訴,同附帯控訴事件 (原審・大阪地方裁判所平成22年 第4461号) 旧社名株式会社モンシュシュは、商標モンシュシュ、指定商品第30類のパン・菓子類で商標登録出願していましたが、商標第1474596と類似するという拒絶査定、拒絶審決を受けているようです。旧社名がモンシュシュだったらから、とことん戦う途を取ったのかもしれませんが、商標登録出願の拒絶理由を受けていた時点で、商標が類似することがわかっていたのであるから、会社名・店舗名を変えていれば、訴訟費用・損害賠償額が少なかったでしょう。 損害賠償額を算定する料率は、時期に応じて0.2~0.3%で設定していますが、それでも、5,140万円に昇る損害賠償額になります。本当に「堂島ロール」は売れているのですね。

付与後レビューという名の異議申立制度

2013年現在、産業構造審議会の特許制度小委員会では、品質の低い特許権が乱立している等の理由から、特許付与後レビュー制度(特許付与後にできる特許異議申立)の導入が議論されています。2012年12月にパブリックコメントの募集がありました。 特許異議申立制度とは、特許になるのはおかしい(その発明に新規性や進歩性がないことを明らかにする文献を提出する、等)と誰もが異議を申し立てできる制度です。 日本では、平成6年までは特許になる前に、特許異議申立できました(特許付与前異議申立制度)。米国から特許になるまでに時間がかかり過ぎる(特許異議申立の審理に時間がかかった)と文句があり、平成6年改正で特許権の付与後に異議申立するように改正されました。そして平成15年改正で付与後異議制度も廃止され、無効審判に一本化されました。付与前及び付与後異議申立は、年間3,000~4,000件ありました。しかし、無効審判は一桁少ない年間300件程度です。 米国は、2013年3月16日以降に提出された特許出願に対して、Post-Grant Reviewの制度を導入しました。この制度は、米国版付与後異議申立制度です。欧州特許法、ドイツ特許法及び英国特許法にも、付与後異議制度があります。 廃止してから10年も経たないうちに制度を復活させるの?と思いますが、年間3,000~4,000件の申立があったのですから、この制度が復活することは良いことではないでしょうか?

特許審査:シフト補正の禁止が緩和される(1)

現在、シフト補正の禁止に関して、産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会にて、その適用が緩和される方向で改正が検討されています。 http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/toushin/shingikai/sangyou_kouzou.htm シフト補正は、2007年(平成19年)4月1日以降の特許出願に適用されています。 シフト補正とは、特許請求の範囲に記載された発明を技術的特徴の異なる別発明に修正(シフト)する補正のことです。主に特許審査の効率化(拒絶理由後に再度特許調査をしなくてよいようにする)のために、導入されました。特許出願人は、出願当初から記載されていた請求の範囲であっても、審査官から技術的特徴の異なる(特許法第37条、同法第17条の2第4項)と判断された発明に、修正できません。このため特許出願人は、その特許出願での権利化を諦め、分割出願で対応しなければなりませんでした。 シフト補正の禁止の概念は、日本特許法の特有制度であり、外国の特許出願人(又は代理人)に、シフト補正を報告することが大変でした。 まだ改正の具体案は無いようですが、2007年3月31日以前とほぼ同様な制度に戻るようです。

AppleのiWatch報道の根拠

2013年3月5日のbloombergの記事にアップルの次世代携帯端末の記事が載っていました。その次世代携帯端末は腕時計。 http://www.bloomberg.com/news/2013-03-04/apple-s-planned-iwatch-could-be-more-profitable-than-tv.html 記事では少なくとも79件の特許出願があると記載されています。そのうちの代表的な特許公開が以下に添付する米国特許公開公報です。 US公開公報第2013/0044215号 Bloombergの記事に載っている実物のような写真とは異なっており、手首にバンドを巻くような時計が図1などに描かれています。 スーパージェッターが腕時計型の通信機(タイム・ストッパー)に向かって「流星号、応答せよ。」と言っていた風景が、年内又は来年、世界中で見られるようになるのか?