店舗デザインはどんな権利で守られるのか

2017年の年末、コメダ珈琲店がマサキ珈琲店を不正競争防止法で訴えた仮処分で、東京地裁は、外観が似ていることを理由に仮処分決定をしました(平成27年(ヨ)第22042号)。

裁判所は、店舗の外観が他の同種の店舗と異なりまたその外観を含む店舗の周知性から、店舗の外観全体が特定の営業主体を識別する営業表示性を獲得していれば、不正競争防止法2条1項1号及び2号にいう「商品等表示」に該当するというべきと判示しました。これが店舗の外観が不正競争防止法における「商品等表示」に該当することを認めた上で、仮処分を認容した初めてのケースであったため、大きく報道されました。

それでも関係者は、不正競争防止法の保護では十分でないと考えたのかもしれません。5月20日の日本経済新聞によりますと、店舗デザインにも意匠権を与える法改正が予定されているとのことです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30735930Z10C18A5MM8000/

建築物で保護される動産として、組立式のバンガローやプレハブ住宅に意匠権が与えられていますが、基本的に不動産を保護対象としていません。
今後の法改正で、意匠法が不動産も保護対象とする改正を行うのかもしれませんが、店舗外観だけでなく店舗内装も意匠権の保護対象になるのでしょうか?
2015年に“鳥貴族”と“鳥二郎”の不正競争防止法での争いもありましたが、店舗内装でも似ているか否か争っていました。内装も意匠登録できるとなると、ビルの一角に入店するチェーン店も意匠登録できることになります。

Apple Watchが丸形状になるかも

Apple Watchは第1世代から第3世代まで、ほぼ正方形の形状でした。この形状が丸形状になるかもというCNETのニュースを見つけました。
5月8日に公報された米国特許9,965,995に基づいています。
https://www.cnet.com/news/round-apple-watch-patent-granted/

請求項(クレイム)1では、何らApple Watchが丸形状であることなど、記載されていません。以下の図のようにどのように配線をするかが特徴の発明になっています。記事の内容は大げさすぎます。

さて、すでに他社から、丸形状のディスプレイのスマートウォッチが販売されています。このスマートウォッチの分野に疎いので私にはどこが発明かよくわかりません。
でも、第1世代のApple watchを使用した後、現在Garminのスマートウォッチを使っていますが、普通の時間だけを確認するための腕時計を身に着けなくなりました。

ドラえもんの中国商標登録が無効に

GWのこどもの日に、偽ドラえもんの中国商標を無効とすると、知的財産権法院が判断したニュースが放映されていました。
スポーツ用品や子ども服などを扱う機器猫(福建)体育用品有限公司が、2012年に漫画「ドラえもん」の主人公にうり二つの図柄を商標として登録申請し、2015年に商標登録が認められたようです。そして2016年ドラえもんのキャラクター使用権を保有する艾影(上海)商貿有限公司が、商標の無効審判を請求したようです。

共同通信のURLをリンクしてます。
https://this.kiji.is/365140013454885985

商標局の商標審議委員会は商標登録の無効を宣告しましたが、機器猫公司は「商標はドラえもんではない」と主張し、知的財産権裁判所に訴えていましたが、今回、知的財産権法院も商標登録の無効を認めたようです。
さて、記事では「著作権を侵害している」として商標登録を無効と判断していますが、中国商標法の第32条で、以下のような規定があります。
「商標登録出願は、先に存在する他人の権利を侵害してはならない。他人が先に使用している一定の影響力のある商標を不正な手段で抜け駆け登録してはならない。」
32条に規定する「他人の権利」には著作権が含まれており、第三者の先取りに対しては著作権を主張して無効宣告請求を行うことが可能です。
TVの放映では、知的財産権法院の裁判官がドラえもんのマンガ本を読んでいる姿が映し出されていますが、機器猫公司の出願前に著作権が発生していたことを確認するためだと思われます。

ニンテンドースイッチがITCの差止調査に

米国国際貿易委員会(ITC)は、米国ゲームヴァイス(Gamevice)の特許侵害の疑いの主張に基づき、ニンテンドースイッチについて特許調査するようです。
https://www.cnet.com/news/nintendo-switch-gamevice-investigation-us-international-trade-commission/
ITCのホームページでは、その詳細が掲載されています。
https://www.usitc.gov/secretary/fed_reg_notices/337/337_1111_notice_04302018sgl.pdf
ゲームヴァイスは、ニンテンドースイッチが米国特許9,855,498及び特許9,808,713の一部の発明を侵害していると主張しているようです。
米国特許9,855,498も9,808,713も、2011年の出願で、継続出願などを繰り返して最後に2017年3月17日に継続出願したものが2017年末に特許になったものです。つまり、ニンテンドースイッチが2017年3月3日に発売されましたから、これら特許は、発売の2週間後に継続出願されたものです。
想像するに、ゲームヴァイスは、ニンテンドースイッチの実物を検討して、実物がカバーされるようにクレイムを作成して権利化したのではないかと思われます。このこと自体は法的に問題ありません。
私が考える、米国特許9,855,498の代表的な図面は、以下の通りです。

私が考える、米国特許9,808,713の代表的な図面は、以下の通りです。

さて、ITCはどのような判断を下すのでしょうか。

海外の著作権をウルトラマンでも3分で勝ち取れない

ウルトラマンの海外著作権が円谷プロダクションになる米国判決が日本経済新聞に載っていました。4月24日付の円谷プロダクションのプレスリリースが下記URLで発表されていました。米国でウルトラマンの著作権が円谷プロダクションであることが確認されたとのことです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000033128.html

プレスリリースにも記載がありますが、20年以上にわたってユーエム株式会社及びソンポテ氏と円谷プロダクションは争っています。
7年以上前のことですが、海外においてウルトラマンの著作権を使いたいが著作権はどうすればよいかと円谷プロダクションに問い合わせると、「もちろん円谷プロが持っている」との回答があったことを覚えています。
また、円谷プロダクションの元従業員(知的財産関係)から、この著作権の問題を契機に、日本及び海外の商標なども力を入れていると聞いたこともあります。元従業員が言うには、毎週新たに登場する怪獣の名前をどこまで商標登録すべきか悩ましかったと言っていました。

確かに子供の頃に見ていたウルトラマンのテレビ放送では、毎週新しい怪獣が登場していましたからね。有名な“バルタン星人”などは登録商標として登録されていますが、たぶん怪獣すべて登録されていないでしょう(私が怪獣を知らないだけかもしれませんが)。
今回のプレスリリースで、タイと日本以外でも、中国及び米国で訴訟をしていたことを初めて知りました。
怪獣を3分で倒すウルトラマンですが、著作権の訴訟には長期間必要だったようです。